気づけば要望対応ばかりしてる…。
要望を片付けたら、新しい要望がやってくる…。
クライアントワークにお困りの方は、少しお時間ください。
こんにちは!コンじゃぶろーです!
プロジェクトを手掛ける上で、クライアントからの様々な要望に応えることは日常茶飯事です。しかしながら、これらの要望の裏には、言葉にならない不安や期待が隠されていることも少なくありません。表面上の要望に迅速に対応することも大切ですが、それだけではクライアントの本当の問題を解決することはできません。このことは、特にクリエイティブな仕事やコンサルティングの分野で顕著です。
クライアントから寄せられる要望の背後にある不安を見極め、それに適切に対応することができれば、単に満足のいく成果を提供するだけでなく、クライアントとの信頼関係を一層深めることができます。しかし、そのためには、コミュニケーション能力だけではなく、深い洞察力や共感力が求められます。
実際に、クライアントが何を本当に求めているのか、その要望の背後にある不安や問題点を正確に把握することは簡単なことではありません。要望が増えることで、その不安がより顕著になることもあれば、不安自体が明確に認識されていないこともあります。このような場合、クライアント自身が自分の感じている不安を正確に言語化できないことも少なくありません。
そこで、クライアントの不安や問題点を言語化し、共に解決策を模索することが、クライアントワークにおける新たな課題として浮かび上がっています。このプロセスを通じて、クライアントとの関係性をより深いものにし、より価値の高いサービスを提供することが可能になります。
この記事では、クライアントからの要望に対応する際に見落としがちな、その背後に潜む不安や問題点に焦点を当て、それにどのように対応していくべきかについて考察していきたいと思います。
本日の記事、重要なポイント
- 不安が多いと要望が増える
- 不安の原因を言語化できる人って、そもそも少ない
クライアントの不安を見逃さない
僕は、仕事を受注する仕事ばかりやっていました。なので、要望対応というのは山ほどこなしてきました。
「ここをこうして欲しい」と言った具体的なことから、「もう少し盛り上がりを作ってください」と言った抽象的なものまで。
さまざまな案件をこなしてきて思うのは、クライアントのいう通りに全て対応すれば全て解決する訳ではないということです。仕事を請けている以上、クライアントが言う通りに対応するのが正解のような気がしますが、実は違います。
クライアント自体も、何が不安なのかが分かっていないことが多い為、指示した内容が正解なのかが非常に不安な状況です。不安が不安を呼ぶ状況に進むのはよくありません。
仕事を請けた側がやるべきなのは、「対応した要望をこなす」ではなく、
「クライアントの不安に気づく」ことです。
クライアントの不安に対応する戦略
クライアントから要望が来るのは、今の状況を不安に感じているからです。
不安はやがて、不満に変わります。
そういった時に、「要望は何件までしか対応しません」とか、請けがわのリスクだけ考えた提案を提示する方法はうまくいきません。
むしろクライアントの不安がたまる一方です。
不安を口にしてくれる場合はいいですが、知らないうちに評価が下がり「次回はありません、さようなら」とならないようにしないといけないですね。
最近は、コンプラが厳しくなってきていますので、指摘してくれるクライアントは減ってるんじゃないでしょうか?
不安の背後にある要望をどう扱うか
仕事を請けた場合、契約書に守られているのでクライアントの方が立場は上です。
なので、度重なる値引き交渉によって、要望対応を予算内に入れずに見積もりするケースもあります。そうなると、下請け側は、「要望対応」した分だけ想定外のスケジュールになります。
そう言う場合に、「要望」が山ほど降ってきたら、なるべく早く片付ける必要がある為、「要望を全部潰す」と言うことに全力投球しがちだったりします。
要望は、仕様変更なので、不具合を生む原因にもなります。
想定外の仕様変更は、テスト工数も増大させることになります。
そんな状況だと、できるだけ早く「要望を対応する」そう言う動きに走ってしまいがちです。
ここは、クライアントも気をつけなければいけない部分だったりします。お互いがその力によって地獄へ進んでいる。開発末期程、冷静に現状を見つめなければいけません。
成果物の質とクライアントの不安
要望が山程出た時は、成果物の質が想定よりも悪いと気づかなければいけません。
そう言う場合は、要望をできるだけ多くあげて、「不安になっている原因」を話合うミーティングをしなければいけません。
この時、綺麗な資料なんていりません。すぐに関係者を全員集めて、それぞれが抱えている不安を共有することに全力を尽くしましょう。
原因もわからず、下手に要望を対応すると余計なエネルギーを使うことになり、スケジュールが大幅に遅れることになります。
「人を増やして、対応できる要望を全て対応する」そういう方針で対応するのは簡単です。しかし、それをし続けた場合、現場は疲弊し崩壊することになります。
1日や2日潰れてでも、その会議に価値があります。
- 要望対応に全力投球しない
- 要望が山程きたら、質の低下に気づく
- 不安の原因を取り除く事に集中する
不安の原因を言語化する力
クライアントは、全知全能の神様ではありません。
質の低い成果物が上がってきた時に、どこを改善すればよいか分かっているならば、仕様書の段階で気づけているはずです。
それに気づける人というのは、普通はいないということを、理解しなければいけません。
そもそも、そんなに素晴らしいクライアントには、かなり強めの開発会社がついているか、社内に強い技術者がいるので、「要望がたくさん必要」な、不安要素の多い開発会社には仕事を振りません。
言語化能力がもたらす仕事の機会
不安の原因を言語化できる人は少ないので、それが分かるから仕事をもらえている。そういう意識を持たなければいけません。
不安の原因を言葉で説明できる人は、対策も可能です。
言葉にできない場合がほとんどなのですが、それでも、開発者には、誰にでもわかる言葉で説明する責任があります。
「もう少しセンスの良い人であれば理解できるのに」と平気で言う開発者もいますが、センスのある人しか面白いと思えないゲームって、本当に面白いんでしょうか?
過去、作ってきたゲームで、売れたゲームは全て、「要望」がほとんど上がらなかったゲームでした。開発メンバーもクライアントも、ワクワクしてイキイキしている時に面白いゲームが生まれます。
逆に、責任をなすりつけ合っているゲームは、全然面白くなりません。経験上ですが、そう言うゲームは、関係者それぞれが「これはダメだ」と気づいているので、即中止した方がいいです。
作っても利益は出ませんし、会社間、メンバー間での関係が壊れてしまいます。
全員つまらないと分かっているのに、無理やり押し進めてしまった。そんなあわれな先輩プランナーからの助言だと思って心して聞いてください。
不安と共にあることの大切さ
開発者は誰よりも、「不安」に寄り添う人でなければいけません。
そもそも、何の為に開発しているかを理解し、クライアントが抱える不安に寄り添って、一緒に原因を解決する姿勢をとらなければいけません。
予算とか工数、期間など、さまざまな要素が、開発会社の余裕を奪っていく中で、クライアントに寄り添うことはとても大変なことです。
しかし、それを優先しないと、余計に予算が足りなくなったり、品質の低いものが出来上がったりしてしまいます。最悪、完成しないケースだってあります。
だから、要望がたくさん出た時に、冷静になって話し合ってみて欲しいのです。「不安になっている原因は何だろう?」関係者全員で歩くのをやめて、それについて話し合いをした方がいいです。
同じ人間ですから、きっと前向きに進める道が見えてきます。
- クライアントは全知全能ではない。
- 不安の原因を、言語化する。言葉で説明する姿勢をもつ。
- 全員の足並みを揃えて「不安」と向き合う。
まとめ 表面的な要望に惑わされず本質を見極める
ゲーム開発に限らず、どんな業界であっても完成品をイメージするのはとても難しいです。
だからこそ、目の前に「要望」と言う形で作業が出てくると、何も考えずに対応してしまいがちだったりします。作業があれば、不安が紛れてしまうからです。
何も考えずに目の前の要望を対応していると、別の人がその要望を端から壊しているケースに気づけません。一見要望はすぐに対応した方が良いように見えますが、全体を把握する方が大切です。
「要望」は、必ずしも最優先で対応する必要はありません。
必要なのは、「不安の原因」を調べることです。目に見える要望は、氷山の一角ですから、その先に、とんでもなく大きな課題が眠っているんです。
全員で共有し、寄り添わなければ、本当に対応が必要な課題には辿り着けないんです。もし、要望がたくさん出て作業に埋もれてしまった時。ふと立ち止まり、この記事を思い出してもらえたらと思います。
以上、さしあたり、今思う事でした。
ここまで読んでいただけてありがとうございます。
皆様の良い人生の一助になれば。
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