モノづくりがなぜかうまくいかない…。
作るモノの品質が上がりづらい…。
そういう悩みを抱えている方にはこちらの記事をどうぞ!
こんにちは!コンじゃぶろーです!
私たちの生活は、クリエイティブな仕事によって豊かに彩られています。美しいデザインの商品、心を動かす映画、便利なアプリケーション…これらはすべて、誰かのアイデアと技術が結実したものです。しかし、作り手自身も、それを必要とする人も、そしてその仲介をする人も、全てが満足できる作品を生み出すことは容易なことではありません。ここで重要になるのが、「三方良し」の精神です。
「三方良し」とは、作る人、使う人、そして社会全体、すべてにとって良いことを目指す考え方。このシンプルながらも力強い哲学は、私たちがクリエイティブな活動をする上での指針となります。しかし、実際にこれを実践することは、想像以上に難しい挑戦です。なぜなら、それぞれの立場で求めるものが異なり、時には相反することもあるからです。
この記事では、クリエイティブな仕事をする上で避けては通れない「三方良し」の考え方を深掘りし、その実現に必要な考え方や行動について考察します。依頼者の満足度を高めること、サービスを受ける人を深く満足させること、そして何よりも作る人自身が満足できる仕事をすること。これら三つの役割が調和することで、真に価値あるクリエイティブワークが生まれます。
しかし、この理想を追求する過程で、私自身が経験した「三方悪し」の事例もあります。開発費の削減を優先しすぎた結果、品質が犠牲になり、結局は誰もが不満を持つ結果に終わったのです。このような失敗から学んだ教訓を共有し、どのようにして「三方良し」を実現できるのかを探ります。
クリエイティブな活動は、単に物を作ること以上の意味を持ちます。それは、人々の生活を豊かにし、社会にポジティブな影響を与える力を持っています。この記事を通じて、次世代のクリエイターたちが「三方良し」の精神を胸に、新たな価値を生み出すインスピレーションを得られることを願っています。
本日の記事、重要なポイント
- クリエイティブの舞台に必要な3つの役割
- 誰の為に作るのかを意識する 三方良しの考え方
はじめに:「三方良し」で周りを幸せにする生き方
クリエイターを目指す人の、共通意識というか使命感のようなモノとして根底に流れているのは、「誰かを笑顔にする」という事ではないかと思います。
笑顔にしたい相手は、家族だったり、友達だったり、自分だったりします。
ここが欠落している場合には、長く続かないように思います。
文字で読むと、そんな人いないんじゃないか?と思いがちですが、仕事が細分化されてしまった現代、うっかり「当初の目的」である、「誰かを笑顔にする」という目的を忘れがちです。
僕もそんな中の一人でした。
少なくとも、専門学校で学んでいた頃は、新しい技術の習得に精一杯で、忘れてしまっていたように思います。
そのあたりを見透かされていたのか、ゲーム会社への就職試験では全て落ちてしまいました。
しかし、ベンチャー起業した瞬間に、運よくその事を思い出す事ができたので、その当時の仲間や環境には非常に感謝しています。
クリエイティブ成功のための三つの柱
まず、クリエイティブに必要な3人の登場人物を紹介します。
「依頼者」「サービスを受ける人」「作る人」です。
この3者の満足度が高い状態が、何かを作る上で望ましい状態になります。
それぞれ、役割を意識する事で、当初の目的「何の為に作るのか?」を忘れないようになります。
それぞれが笑顔になるようなクリエイティブを目指しましょう。
このあたりを意識しないと、かならず無理が出てきて続ける事ができなくなります。
まずは、それぞれの立場の定義と、その立場の人が意識すべき「満足度」に関して解説します。
サービスをされている人がいたら、自分の状況を当てはめてみて下さい。
依頼者が真に求めるもの
依頼者は、報酬を支払う人であり、新たに生じたクリエイティブによって利益を得る人です。
「お金」の流れを考える役割があるので、基本的に満足度は「サービスによる売り上げ」になる事が多いです。
依頼者は、サービスを受ける人の満足度を確認しなければいけません。
満足度が高い場合は、収益やリピート率という数値で確認する事ができます。
美容サロンの場合(B to Cのビジネスモデルの場合)は、顧客が「依頼者」の役割になります。
サービスを受ける人は顧客本人ではなく、顧客のまわりの人という考え方をしましょう。
髪質や髪型を見た家族の反応(笑顔量)を意識します。
変身した自分を見た人達の満足度が、顧客の満足度(笑顔)につながります。
受け手の心を掴むサービス
依頼者とサービスを受ける人が同一である事もありますが、ここはあえて明確に分けました。
サービスを受けて、その対価として「お金」を支払う役割の人です。
ゲーム開発であれば、ゲームで遊ぶ人。
イラスト作成であれば、そのイラストを見る人。
イベントであれば、イベントの参加者。
無料で受けれるサービスもありますが、その場合は対価として「時間」や「リアクション」を支払っていると考えます。
時間やお金を支払った対価として、自分の満足度(笑顔量)を確認しなければいけません。
満足度が高い場合は、サービスを継続したり、誰かに紹介する事で確認する事ができます。
制作側の充実感と満足
最後は、報酬を得て、何かを作る役割の人です。
「お金を得る」というかなり強烈な報酬がある為、忘れてしまいがちですが、「依頼者」と「サービスを受ける人」の満足度を一番意識しなくてはいけないポジションです。
「お金をもらった分は仕事しました」というマインドだと、トラブルが増えてしまいます。
クリエイティブの現場で注意しなくてはいけないのは、「自分自身の満足度」です。
依頼者やサービスを受ける人の満足度ばかり意識してしまい、自分への報酬をギリギリまでさげると、これまた持続不可能な開発になってしまいます。
「依頼者」「サービスを受ける人」「作る人」それぞれがしっかりと満足度を意識して仕事に取り組めば、自然とトラブルは減っていきます。
- 「依頼者」「サービスを受ける人」「作る人」の満足度が高い状態を目指す。
- 三方の満足度は、質が違う。
「三方良し」の実践:クリエイティブ業界への教訓
「依頼者」「サービスを受ける人」「作る人」それぞれが満足した状態を、「三方良し」と言います。
「三方良し」とは元々、近江商人の心得で、「売り手よし」「買い手よし」「世間良し」というもので、売り手と買い手の満足度が高くて、社会貢献にもなっていれば、それは良い商売であるという商売の指針です。
僕が説明してきた三方良しは、社会貢献という意味合いは少ないですが、かなり似たモノだと思います。サービスを受ける人の満足度が「世間良し」にあたるといえばそうなるでしょうか。
「三方良し」この均衡を作り手は意識しなければいけません。
これが、3者とも笑顔になる為に必要な事だからです。
本当は、「依頼者」や「サービスを受ける人」にもそういう意識が無くてはいけませんが、そこまで意識が働きづらい時代なので、「作り手」がそこを担っている場合が多かったりします。
なので、「作り手目線」で話をまとめたいと思います。
人を無理に変える事はできないので、まずは自分から変えるスタンスでいきましょう。
何かを作る時の登場人物の定義をしっかり意識して、忘れないようにすれば特に問題は起きないですが、忙しくなってくるとついつい忘れてしまう事もあります。
自分の失敗例を紹介します。
自身の失敗から学んだ「三方悪し」のケーススタディ
景気が良くなかった頃の話。
世の中に事業仕分けブームが巻き起こって、小さな開発会社は「値下げ交渉」を強いられました。
無条件で値段を下げるようにと言われていたんです。
かなり取引先の売り上げにも貢献していたので、大丈夫だとは思っていましたが、ブームには抗う事ができませんでした。
担当者も、交渉術によって「値下げできた」となれば、社内評価もめでたく提案も通りやすくなるという言い分を飲む形になりました。いくつか取引先はありましたが、ほとんどの取引先から「無条件での値下げ交渉」を迫られました。
実際、値下げ交渉にやぶれて取引先を失った会社が、死に物狂いでほかの取引先を探し出した為、海は一気に赤く染まりました。
じきに、開発会社同士の、値下げ合戦が始まりました。
その結果どうなるかというと、「予算」に合わせた余裕のない開発計画になります。
ゲーム開発の場合は、プロトタイプ版とよばれる試作品を作って、ゲームの面白さを確認したりしますが、試作品なしのぶっつけ本番で作る必要がありました。
また、仕様変更が入ると予算オーバーになる為、現場もかなりピリピリさせてしまいました。
開発環境の改善:プレッシャーを管理する方法
今、思い出しても寒気がする地獄の日々です。
細かく仕様書を作り、30分単位でスケジュールを組みました。
開発初期の段階で、「予算」にとらわれすぎてしまい、出来上がったモノが「サービスを受ける人」にとって満足のいかない状態になる事が多かったです。
ここでの誤った打ち手は、「作り手の利益を下げて改造する」事と「仕様書時点での完成度をあげる」の2つでした。
どちらも3方良しの観点からズレるもので、厳しい戦いが続きしばらくして無理が積もって破綻してしまいした。
かなり頑張ったとは思うんですが、他にも色々あって継続できなくなってしまいました。
この場合の問題点としては、「依頼者の満足度」を安易に得る為に「予算」を下げ、結果的に「依頼者」と「サービスを受ける人」に対して、質の低いものを作っていた事でした。
さらに、それを作る際に「作り手の満足度」を無視して作っていたのも問題です。
1つバランスを崩す事によって、「三方悪し」になってしまいました。
1つをおろそかにする事で、全部悪くなる。皆様にもそういった経験ないでしょうか?
常に「三方良し」を念頭に置く重要性
では、どうしたらよかったのでしょうか?
今判断するとしたら、「安易な値下げ交渉」には応じないという事です。
予算を下げる場合は、品質も下がるという事を誤解無く説明し、受け入れられなければ仕事を受けないという選択をしなければいけなかったように思います。
いくつか取引先を失い、売り上げを大きく下げる結果になっていたでしょうが、社内外にうまく説明する責任があったと思います。
もし無理に作った所で、「三方悪し」になったからです。
これは、むしろ作らない方が良い事を誠実に説明しなければいけませんでした。
依頼者の理解が得られない場合は、別の依頼者を探すか、自分自身が依頼者となり「三方良し」の形を作っていく。それぐらいの気概が必要なのだと思います。
あの時の、自分は「みずからが依頼者になる」という選択が怖すぎて、逃げていたんだと思います。
目先の報酬・売り上げを優先するあまり、大切な事を忘れていました。
とるべき行動は、「三方良し」となる状況を作る事でしたが、「三方悪し」の形に固執した結果、崩壊してしまったのです。
大きなサービスであれ、小さなサービスであれ、作り手にとって一番大切なのは相手の満足度であり、相手の笑顔です。
相手が満足できない状況を推し進めてはいけません。
- 作り手は、三方良しの均衡を意識しなければいけない。
- 1つの質を下げるだけで、三方悪しの状態になる。
- 誠実に対応する。三方が満足できない状況で進めてはいけない。
結論:クリエイターに求められる新たな価値観
作り手は、誰かの笑顔の事を考えれる人でなければいけないと思います。
時間がなかったり、予算が少なかったりした時でも、それを忘れてはいけません。
それを守る為に、歯を食いしばる必要すらないと思います。
常に自分も含めて3者の役割を意識しなければいけません。
これからは、モノよりも満足度が重視される時代だと思います。
若い人達が、そういう環境でモノ作りができるようにする為にはどうすべきか?それが僕の宿題です。
直近で、自分の子供に対して、どうやってそういう環境を用意するのかを迫られています。
出来る事ならば、誰かを笑顔にする子に育ってほしい。
以上、さしあたり、今思う事でした。
ここまで読んでいただけてありがとうございます。
皆様の良い人生の一助になれば。
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