【国家資格】ゲーム開発における、基本情報処理技術者(FE)のメリットデメリット

【国家資格】ゲーム開発における、基本情報処理技術者(FE)のメリットデメリット さしあたり、いま思う事
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「基本情報処理技術者」って、取得した方が良いの?

どんなメリットがあるんですか?

そういう相談を受けたので、基本情報処理技術者資格を取得した私の見解をまとめたいと思います。試験攻略法もまとめて紹介しますので、お役立てください。

コンじゃぶろー
コンじゃぶろー

こんにちは!コンじゃぶろーです!

情報技術の世界では、資格がその人のスキルと専門知識を証明する重要な手段の一つです。特に国家資格である情報処理技術者試験は、幅広いIT分野にわたり多大な影響を及ぼします。これらの資格は、就職やキャリアアップの際に大きなアドバンテージとなることが多いですが、その取得と維持にはかなりの労力と時間が要求されます。本記事では、情報処理技術者として活動を考えている方々が、この資格が自身のキャリアにどのように貢献するか、またその取得が伴うメリットとデメリットを詳しく解説します。さらに、基本情報処理技術者の試験範囲にも焦点を当て、資格取得を目指す方々への具体的なアドバイスも提供します。この資格が技術者としての道をどう豊かにするか、その全貌を明らかにしていきましょう。

はじめに 情報処理技術者とは

はじめに 情報処理技術者とは

情報処理技術者とは、コンピュータシステムやソフトウェア、ネットワークなどの情報技術に関連する業務に従事する専門家を指します。彼らはプログラミング、システム設計、ネットワーク構築、データベース管理、セキュリティ対策など、幅広い分野での知識と技術が求められます。また、情報技術の急速な進展に伴い、常に最新の技術動向を学び、新しいツールや言語を習得することが必須となる職種です。

日本においては、「情報処理技術者試験」という国家資格が存在し、これには複数のレベルと分野があります。基本情報技術者、応用情報技術者、情報セキュリティスペシャリストなど、その資格によって対象となる知識や技術の範囲が異なります。これらの資格は、個々の技術者が一定の技術水準に達していることを証明するものであり、就職やキャリアアップの際に有利とされることが多いです。

情報処理技術者は、その技術と専門知識を活かして、企業や組織の情報システムの設計、運用、保守を行うことで、業務の効率化、安全性の確保、新たな価値の創出を実現します。また、ITコンサルタントとして活動し、組織のIT戦略立案やシステム導入の支援を行うこともあります。このように、情報処理技術者はテクノロジーを駆使して、現代社会のさまざまな場面で中核的な役割を担う重要な職業群です。

2024年の9月からの改訂

2024年9月から基本情報処理技術者試験の出題範囲にいくつかの変更が行われます。主な変更点は以下の通りです。

  1. 午前の試験範囲の改訂:基本情報技術者試験の午前の試験範囲が一部改訂されます。特に情報セキュリティの知識項目が追加され、セキュリティ関連の問題が重点的に扱われるようになります。
  2. 午後の試験範囲の改訂:午後の試験では、科目B(午後の試験)の出題範囲も改訂され、特定の技術領域に関する問題が必須解答問題として設定されるように変更されます。これにより、より専門的な知識が求められることになります。
  3. 情報セキュリティの強化:情報セキュリティに関する内容が、全体的に試験範囲においてより重要な位置を占めるようになります。これには、情報セキュリティの知識項目の追加や、セキュリティ関連の問題が午前および午後の試験でより多く出題されることが含まれます。

これらの変更は、試験の難易度を高め、情報セキュリティへの意識をより強化するためのものと思われます。試験を受ける方は、改訂された試験要綱に基づいて準備を進めることが重要です 。

情報処理技術者の種類

情報処理技術者試験は、そのレベルと専門性に応じて多岐にわたるカテゴリーに分けられています。それぞれの試験は、特定のスキルセットや知識を証明することを目的としており、技術者としてのキャリアパスを明確にするのに役立ちます。以下に、主要な情報処理技術者の種類を紹介します。

情報処理技術者試験
画像引用元:IPA情報処理推進機構ホームページ
  1. 基本情報技術者試験
    • IT業界でのキャリアをスタートするための基礎的な知識と技術を問う試験です。プログラミング、ネットワーク、データベースの基礎など、幅広い分野がカバーされています。
  2. 応用情報技術者試験
    • より高度なITスキルとプロジェクト管理能力が求められる試験で、システム開発や情報システムの企画・管理に関する知識が評価されます。
  3. ITストラテジスト試験
    • IT戦略の立案や情報システムの企画・導入を行うための知識を問う試験で、上級ITマネージャーやコンサルタントを目指す人向けです。
  4. システムアーキテクト試験
    • 大規模なシステムの設計や開発に関する高度な知識と技術を評価します。複雑なシステムの構築を担当する技術者を対象としています。
  5. プロジェクトマネージャ試験
    • プロジェクトの計画、実行、管理を行う能力を問う試験で、効果的なプロジェクトリーダーシップが求められます。
  6. データベーススペシャリスト試験
    • データベースの設計、構築、運用に関する専門知識を問う試験です。データベース管理者やデータアーキテクトを目指す人に適しています。
  7. ネットワークスペシャリスト試験
    • ネットワークの設計、構築、運用、保守に関する専門知識を問う試験で、ネットワークエンジニアを目指す人向けです。
  8. 情報セキュリティスペシャリスト試験
    • 情報セキュリティに関する深い知識と技術を問う試験で、セキュリティポリシーの策定やリスク管理などを担います。

これらの資格はそれぞれ、特定の技術領域や管理能力に焦点を当てており、取得することでその分野での専門性と信頼性を証明することができます。情報処理技術者としてのキャリアを築く上で、これらの資格は大きな助けとなり、多くの場合、職業的な成長と成功への扉を開く鍵となります。

学生のうちに、応用情報技術者試験に合格していたら、大手IT企業にいけますね。実際、私の同級生は学生時代に取得して、一流企業で採用されていました。その上のプロジェクトマネージャーの資格は、国家レベルの仕事を受ける際に社内の大半が取得していることが条件だったりするので、就職には困らないかもしれませんね。

AI時代のゲーム開発。変わる事と変わらない事。

基本情報処理技術者試験の概要

基本情報処理技術者試験の概要

基本情報処理技術者試験は、日本の情報技術者向けの国家資格試験の入門レベルであり、IT分野でのキャリアを目指す者にとって第一歩となる試験です。この試験は、情報技術の基本的な知識と技能を有しているかを認定することを目的としており、広範囲にわたる技術領域がカバーされています。以下に、基本情報処理技術者試験の主要な特徴を詳しく解説します。

基本情報処理技術者試験の目的

基本情報処理技術者試験の目的

基本情報処理技術者試験は、IT業界で働く上で必要とされる基礎的な知識とスキルを確認し、技術者としての最低限の能力を保証することを目的としています。この資格を持つことで、就職や職場内での昇進、さらには専門的な分野へのステップアップに有利であるとされています。

アルゴリズムとプログラミング

プログラム言語の基礎、データ構造、アルゴリズムの理解などが評価されます。変数、データ型、演算子、制御構造(if文、ループなど)、関数やメソッドの使い方など、プログラミング言語の基本的な構成要素に関する知識が問われます。アルゴリズムは、ソート、検索、再帰、基本的なデータ構造(配列、リスト、スタック、キュー、ツリー、グラフなど)についての理解が求められます。

はじめてゲームプログラミング『メタルボーラー!RPG!』連載 第4回 ゲームの設計図作り「フローチャートってなんだ?」の巻

コンピュータシステム

ハードウェア、ソフトウェア、オペレーティングシステムに関する基本的な知識が問われます。コンピュータのそれぞれの機能とその役割が、どのように連携して動作するのか焦点を当てています。この知識は、システム全体の機能と効率を理解する上で不可欠です。

ゲーム開発では、「パフォーマンスの最適化」「プラットフォーム間の互換性」「リアルタイム処理の強化」「セキュリティとデータ保護」の観点で重要な技術を学ぶことができます。

ネットワーク

LANやインターネットなどの基礎的なネットワーク技術、プロトコルについての知識が求められます。ネットワークの知識は、現代の情報技術の中核をなすもので、特にゲーム開発において非常に重要な役割を果たします。ネットワークには、データの送受信、リソースの共有、システム間のコミュニケーションなど、多くの機能が含まれます。

最近のゲームでは、「ネットワーク」を使っていないゲームを探す方が大変だったりするので、ゲーム開発のエンジニアになるには、非常に大切な技術です。

「マルチプレイヤー」「サーバー連携」「チート対策」「クラウドベースのゲームサービス」等、ネットワークの知識は、ゲームのパフォーマンス、ユーザー体験の質、全体的なシステムに直接影響を与えるので、ゲーム開発者にとって非常に価値があります。

データベース

データベースの基本的な概念、SQLを含むデータベース言語の基礎が含まれます。

データベースは情報を効率的に管理、保存、検索するためのシステムであり、ゲーム開発においても非常に重要な役割を果たします。プレイヤーデータの管理、ゲーム設定とアセット管理、マルチプレイヤー機能と同期、ゲームはデータの塊なので、データ管理の上で、データベースの構造を理解すると非常に質の良いデータ管理が可能になります。

ソフトウェア設計

ソフトウェア開発プロセスや要件定義、設計手法についての基本が評価されます。

効率的で信頼性の高いソフトウェアシステムを開発するためには、ソフトウェアの開発ライフサイクル、設計原則、開発モデルなどあり、ゲーム開発にも応用が可能です。

拡張性と保守性を高めて、チーム間の協力を促進します。UI設計やパフォーマンス向上にも必要な知識で、これから当たり前になるクロスプラットフォーム開発の現場では重宝される技術になります。

セキュリティ

情報セキュリティの基礎知識として、セキュリティ対策の基本的な概念が問われます。データの保護、システムの安全性の確保、および潜在的な脅威からユーザーを守るための重要な分野です。

ゲーム開発においても、セキュリティはプレイヤーの信頼を得る為に重要な要素で、基本情報処理技術者の知識は重要です。

基本情報処理技術者資格を持つ具体的な利点

基本情報処理技術者資格を持つ具体的な利点

基本情報処理技術者資格は、日本で非常に評価される資格の一つで、IT業界においては特にその価値が認められています。この資格を持つことで、個人のキャリアに具体的な利点がもたらされ、以下のような面でその効果が見られます。

キャリアアップ

基本情報処理技術者資格は、技術者としての基本的なスキルと知識があることを証明するものです。この資格を持つことにより、職場内での昇進や新しい職務への移行が容易になる場合があります。特に、プロジェクトリーダーやマネジメントポジションに就くための足がかりとして役立ちます。資格を持っていることで、雇用主に対して技術的な能力だけでなく、学習意欲と自己啓発の姿勢を示すことができます。

給与の向上

基本情報処理技術者資格を持つことは、給与交渉や転職市場において有利な立場に立つことができる要因となります。多くの企業では、特定の資格を持つ従業員に対して特別手当を提供していることがあります。また、この資格が求められる職種では、資格が給与レベルを左右する重要な基準となることも少なくありません。

会社によりますが、5000円から2万円の手当がもらえます。

専門知識の証明

基本情報処理技術者資格は、持ち主が一定レベルの専門知識と技術を有していることを公的に認めるものであり、特に新たな職場やプロジェクトでの信頼獲得に役立ちます。これにより、特定の技術領域における作業を任される機会が増えると同時に、より高度な技術的課題を担当することが期待されるようになります。また、専門知識の証明は、顧客やクライアントとの関係構築にも有効で、専門家としての信頼を築くことができます。

シンプルにチャンスが増えるということです。

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基本情報処理技術者資格を持つデメリット(注意点)

基本情報処理技術者資格を持つデメリット(注意点)

基本情報処理技術者資格は多くのメリットを提供する一方で、取得や保持にあたっていくつかのデメリットや注意点が存在します。これらを理解することは、資格取得の決断を下す上で重要です。

取得までの時間とコスト

基本情報処理技術者試験の勉強には相応の時間が必要です。多くの受験者は試験に合格するために数ヶ月から1年程度の準備期間を設けます。これには、試験内容の広範囲にわたるトピックスをカバーするための学習時間が含まれます。

実際の学習時間は、個々の基礎知識のレベルや学習効率によって大きく異なります。試験は通年で毎月実施されていて、毎月受験することは可能ですが、1回あたり7,500円必要になります。

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資格の維持に関する条件

基本情報処理技術者資格は、一度取得すれば特に更新の必要はありません。一生涯有効な資格とされていますが、IT業界は常に進化しているため、最新の技術トレンドやツールについては自己学習を続ける必要があります。

情報処理の技術は日進月歩です。情報処理技術者を取得したとしても研鑽を続けなければすぐに一線で活躍できなくなってしまいます。

基本情報処理技術者資格取得のための学習方法と試験の対策

基本情報処理技術者資格取得のための学習方法と試験の対策

基本情報処理技術者資格の取得に向けて勉強するなら、自己流よりも先人のアドバイスを聞くのが良いでしょう。ここでは、全体的な学習戦略と、午前試験および午後試験の具体的な対策に分けて解説します。

基本情報処理技術者資格は、大きく分けて「午前」と「午後」に分けられます。これは、午前に行われるテストと、午後に行われるテストがあるからです。出題範囲が非常に広い為、出題数も非常に多いです。なので、テストは一日がかりになります。

午前の対策

午前の試験は60問あり、試験時間は90分です。マックス1000点で600点くらいが合格ラインになります。何度も受けた肌感覚ではありますが、過去問で制限時間内に満点が取れる状態になったら、合格できるイメージでした。

多くの人は、制限時間が足りなくなりますので、速読をマスターし繰り返し過去問を解きましょう。記憶力に加えて、時間内に解答することが大事です。

  1. 幅広い基礎知識の習得
    • 午前試験は情報技術の基礎知識全般をカバーしています。各トピックに対する理解を深め、広範囲にわたる知識を身につけることが重要です。
  2. 多肢選択問題の練習
    • 多肢選択問題に慣れることで、試験中の時間配分を改善し、迅速かつ正確な回答が可能になります。
  3. 定期的な模擬試験
    • 実際の試験と同様の時間制限のもとで模擬試験を行うことで、試験への慣れと時間管理のスキルを養います。

最初は、解答を見ながら答えを丸覚えして、内容を理解できるようになってきたら、答えを見ずに制限時間内に解答し切る練習をしましょう。

午後の対策

午後は、20問を解答する形になります。私が資格を取得した際は、いくつかの言語を選択して解答するプログラミング問題ですが、今は全問答える必要があるみたいですね。しかも、出題範囲も増えていて、表計算やマクロの問題も出るようです。こちらも、過去問を繰り返し解いて、制限時間内に解答できるようにしましょう。

  1. 専門知識の強化
    • 午後試験はより専門的な内容が求められます。特定の分野について深い知識と理解が必要です。
  2. 記述式問題の対策
    • 記述式の回答を練習し、技術的な内容を正確かつ簡潔に説明する能力を高めます。
  3. プログラミングとケーススタディの練習
    • 実際のコーディングやケーススタディ問題を解く練習を行い、応用能力を強化します。

私の時代は、アセンブラの問題がシンプルで解きやすかったんですが、今は疑似言語を使った出題になっているようです。しっかり過去問を解いて、対策していきましょう。

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まとめ 資格がキャリアに及ぼす影響を考慮してチャレンジ

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いかがでしたでしょうか?

今回は、基本情報処理技術者資格の概要から対策、そして、ゲームクリエイターとしてのキャリア形成において、どのような優位性をもたらせるのかを解説してきました。

資格取得は多くの職業人にとって重要なステップです。特にIT業界では、技術の進化が早いため、自己のスキルセットと知識を証明するための明確な手段が求められます。基本情報処理技術者資格は、IT分野でキャリアを築く上で大きな影響を及ぼすことができる資格の一つです。

取得には、非常に時間がかかります。回り道に感じるかもしれませんが、社会人になってしまうと忙しいのでますます取得する時間がなくなってしまいます。学生の皆さんは、今のうちに取得しておくのが良いと思います。例え取得しなくても、意味のある知識ではないかなと思います。

それでは良いゲーム開発ライフを!

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