プロジェクト成功の秘訣!効果的なKPIの設定とは?

さしあたり、いま思う事
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数値目標を設定するだけがKPIではありません。

なんとなく動いていたチームが、個々の能力を組織的に向上し続ける仕組みづくりこそがKPIの本質です。社員の意識がバラバラで、自分の成長が感じられない場合は、こちらの記事を読んでプロジェクトを成功に導くマインドを手に入れましょう!

コンじゃぶろー
コンじゃぶろー

こんにちは!コンじゃぶろーです!

チームの生産性が低い…。そういう課題を抱えているリーダーは多いでしょう。進捗状況が良くなかったり、チームのモチベーション低下による生産性の低下があったりと、何が原因か見えづらいケースも少なくはありません。

私自身、プロジェクトを同時に複数動かしたり、数十のラインの進捗を管理したりする中で、とても苦労した経験があります。品質管理として組織を俯瞰した位置から観察して、その問題の多くが要件定義時の目標設定(数値目標)に原因があることに気づきました。

注意しなければいけないのは、数値目標(KPI)を設定するだけではダメだということです。

なぜなら、KPIの設定だけして、「正常に運用されていない」あるいは「コントロールされていない」ケースがとても多いからです。そのほとんどは、数値目標(KPI)だけ設定して満足している状況ではないでしょうか?

KPIは設定しただけで終わるのではなく、KPIを用いた継続的な運用が重要です。数値化され可視化された目標を、組織の成長と、メンバーのモチベーション向上に繋げていかなければいけません。なぜなら、チームは小さな力の集まりなので、バラバラに動くと成果は上がりづらい為、個々の力を集中しなければ成果が出づらくなります。

さらに言えば、タスクの優先順位やリソース(人・物・金)の配分を最適化することで、時間やコストの無駄遣いを抑えていくことも可能です。

この記事を読んで、プロジェクト管理における効果的なKPI設定と活用法を理解し、プロジェクトの成功率を高めましょう。

プロジェクト成功の鍵とは?

プロジェクト成功の鍵とは?

プロジェクト成功の鍵は、明確な目標設定と、それを達成するための計画が大事です。成功するチームは、組織全体が一丸となってKPIの運用に取り組むことで、定められた目標を確実に達成し、価値を創造します。

優れたKPI運用の本質は、情報共有です。今、どういう状況なのか理解するツールとしてKPIを使うことを意識しましょう。

プロジェクトの定義と成功の基準

プロジェクトの定義と成功の基準

まず、プロジェクトとはなんでしょうか?

プロジェクトとは、一時的な活動であり、特定の目標や成果を達成するために計画的に実行される一連のタスクです。

一時性: プロジェクトには開始日と終了日があります。

ユニークな成果: プロジェクトは特定の目的や成果を達成することを目指します。

リソースの限定性: プロジェクトは限られたリソース(時間、予算、人材など)を活用して実施されます。

この3つの要素を備えていればプロジェクトと呼んで差し支えないでしょう。IT技術を使って、企業の課題を解決することはもちろん、料理を作ることも一種のプロジェクトと捉えることはできます。

また、プロジェクトの成功基準は、以下の要素によって評価されます。

範囲(Scope): プロジェクトが定められた目標と要求を満たしているかどうか。

時間(Time): プロジェクトが予定されたスケジュール内で完了しているかどうか。

コスト(Cost): プロジェクトが予算内で実施されているかどうか。

品質(Quality): プロジェクトの成果物が必要な品質基準を満たしているかどうか。

顧客満足度(Customer Satisfaction): プロジェクトの成果が顧客やステークホルダーの期待に応えているかどうか。

これらの評価項目が崩れた時、予算オーバーであったり、クライアントからのクレーム、あるいは「リコール」として大きな損害が発生したりします。

数値目標(KPI)を設定し、適切に監視・調整することで、プロジェクトの質を向上させより良い成果を出せますが、数値目標(KPI)から目を背ければ、博打の世界に身を投げることになります。

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成功するプロジェクトの共通点

成功するプロジェクトの共通点

多数の案件の進捗管理をする中で、成功するプロジェクトには共通点がありました。

  1. 明確でシンプルな目標設定
  2. 効果的な計画とスケジュール
  3. 適切なリソース管理
  4. 活発なコミュニケーション
  5. リスク管理
  6. 継続的なモニタリングと評価
  7. チームのモチベーション維持

当事者になると見えづらい部分ではありますが、プロジェクトメンバーとしてではなく品質管理として観察し見えてきた共通点をご紹介します。

1. 明確でシンプルな目標設定

愚かなリーダーは全てを複雑にし、優秀なリーダーは全てをシンプルにする。

プロジェクト開始前に具体的で達成可能な目標が設定されていること。これにより、プロジェクトチーム全体が同じ方向を向いて行動できます。うまく進行しているリーダーは、「シンプルで、明確な指針」を打ち出すのが非常にうまいと感じます。

「今回の山場は〇〇だ!」「〇〇さえ実現できれば勝ったも同然!」みたいに、明確な指針を示すことで、メンバーも力のかけどころを意識することができるようになります。

明確な目標を打ち出さないと、ゴールが見えづらくなりメンバーは気力を失っていきます。

2. 効果的な計画とスケジュール

「スケジュールは、全て私の頭の中にある。」では、誰も前に進めない。

プロジェクトの進行を計画し、タスクの優先順位を明確にすることで、リソースの最適な配分が可能になります。また、スケジュール管理により、遅延を最小限に抑えられます。

タスクを洗い出し、スケジュールを作成する際に、複数の目でレビューすることがとても大事です。スケジュール作成が上手いリーダーは、1人でスケジュールを作成しません。社内にいる経験者を同席させたり、過去の情報を利用してレビューにかけて、効果的なスケジュールを模索します。タスクの順番を入れ替えるだけで、効率が上がることを知っているからです。

3. 適切なリソース管理

人、物、金、その全てが管理されて、初めて計画と言える。

プロジェクトに必要な人材、予算、設備などのリソースが適切に管理されていること。リソースが不足するとプロジェクトの進行に支障をきたすため、計画的なリソース管理が重要です。

プロジェクトで問題が起きた時、手をうつポイントは「人」「物」「金」のいずれかになります。事故が起きてから対処すると、想定よりも多くのリソースを支払うことになってしまう為、プロジェクト管理が上手いリーダーは、案件開始時のリソース配分が非常に上手いです。ITシステムを作る場合は、人材のスキルが非常に大切になるので、普段からメンバーのスキルを敏感に評価しているように感じました。

4. 活発なコミュニケーション

優れたリーダーは、話しかけやすい状況、聞きやすい状況を作るのが上手い。

プロジェクトチーム内外で効果的なコミュニケーションが行われていること。定期的なミーティングや報告により、情報の共有と問題の早期発見が可能になります。

わかっていてもできないのが「普段からの会話」です。プロジェクトに問題が発生する前から頻繁に声かけを実施し、コミュニケーションを深めておくことが大切です。なぜなら、普段から会話がないと問題を報告しづらいチームになるからです。この辺りが上手いリーダーは、仕事しながら雑談をうまく取り入れて報告しやすい雰囲気を作るのが上手いです。

5. リスク管理

報告しずらい失敗ほど、最速で手を打たなければいけない。

プロジェクトのリスクを事前に特定し、それに対する対策を講じることで、予期せぬ問題が発生した際にも迅速に対応できます。プロジェクト管理する上で、トラブルのほとんどは「人災」です。報告しなければいけないミスを、すぐに報告できない状況が、問題を大きくします。

常に、目の前にあるリスクを、全員で共有し、手を打っていかなければいけません。

問題があるプロジェクトは、リスクが見えていない場合が多いです。第三者としてみていると見えるリスクでも、当事者になると見えづらくなるものです。もし、リスク管理が苦手だと思うリーダーは、第三者のチェックを上手く設定するのが良いでしょう。

6. 継続的なモニタリングと評価

目標を立てただけで満足してはいけない。繰り返し評価し状況に合わせて変化させる。

プロジェクトの失敗で多いパターンは、スケジュールを作成してそれに過信してしまうことです。じっくりと時間をかけて、スタート地点で完璧なスケジュール作成を目指すのは良い事です。しかし、そこに油断が生じてしまうケースは少なくありません。

プロジェクトの進捗を定期的にモニタリングし、評価することで、必要な調整を行い、計画からの逸脱を防ぎます。進捗MTGをたくさん入れると、プロジェクトの進捗は悪くなってしまうケースがあります。私自身も、メンバーに対して痛くもない腹を、(重箱の隅を突くように)チェックすることで大失敗してしまったことがあります。

完璧なスケジュールを立てることよりも、チーム全員がスケジュールの隅々まで納得していることが大事です。そして、間違いが見つかったら柔軟に方向転換しましょう。

上手いリーダーは、目立たないように最小限のコストで周りに目を光らせていて、問題に最速で気づけるようにしています。

7. チームのモチベーション維持

リーダーなら、メンバーの背中を見ただけで相手の気持ちを理解しろ

優秀なリーダーは、チームメンバーが抱える問題に敏感です。相手に詳しくヒアリングしなくても、何を考えて仕事しているのか理解することが大事です。

チームメンバーが高いモチベーションを維持できるような環境を提供すること。メンバーは自分の作業を適切に評価されることで、プロジェクトに対して積極的に取り組むようになります。

人がモチベーションを下げる一番の理由は、「しかと」です。指示したタスクが完了して上がってきた時に、そのタスクに対して何も言わずに次のタスクを指示する。リーダーをしているとついついやってしまうことですが、これはメンバーのモチベーションを下げる結果になります。上がってきたタスクに対して、温かい言葉をかける。良いリーダーは必ず実施していることです。

良いリーダーの共通点を挙げてみました。これらの共通点を押さえることで、プロジェクトは成功に近づくことができます。良い部分を真似するように心がけましょう。

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KPIとは何か?

KPIとは何か?

KPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)は、組織やプロジェクトの目標達成度を測定するための定量的な指標です。ただ数値を設定したら良いのではなく、個人的な数値であっても良くありません。また、一度目標として設定して終わりではなく継続的なモニタリングが重要です。

KPIは、ビジネスの戦略的目標に対する進捗状況を把握し、効果的な意思決定をサポートするために使用されます。

KPIの基本的な定義

KPIの基本的な定義

KPIは以下のような特徴を持っています。

1. 目標に基づく指標

KPIは、組織やプロジェクトの具体的な目標に関連して設定されます。例えば、売上目標、顧客満足度、製品品質などの重要なパフォーマンスエリアをカバーします。

2. 定量的で測定可能

KPIは数値で表現され、具体的に測定可能である必要があります。これにより、目標達成度を客観的に評価できます。

客観的な評価ができるようにしておくということがとても大事です。

3. 時間軸を持つ

KPIは一定の期間内で評価されるため、定期的なモニタリングが可能です。これにより、時間の経過によるパフォーマンスの変化を把握できます。

時間軸を持つことで、モニタリングするタイミングが明確になります。

4. 戦略的な重要性

KPIは組織の戦略的目標に直接関連しているため、その達成が組織全体の成功に寄与します。

1人の力では大した成果が出なくても、組織的に統一感を持たせることで大きな成果ができます。わかりやすく説明すると、自分の上長の目標に合わせることで組織的な目標設定が可能になります。

KPIと他の指標との違い

KPIと他の指標との違い

組織的ではなく、個人的な数値設定は、KPIとは違います。

数値目標が設定されている指標はすべてKPIになるわけではありません。KPIは組織の戦略的目標に直接関連し、その達成が組織の成功にとって不可欠です。

ウェブサイトの運営であれば、契約に直接結びつく件数を集計し設定されたコンバージョン率はKPIとなりますが、ウェブサイトの各ページが表示されたページビュー数や、訪問者がウェブサイト上で過ごす平均時間(平均セッション時間)は、業務効率や、パフォーマンスを評価するための指標であり、戦略的な影響は少なくなります。

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効果的なKPIの設定方法

効果的なKPIの設定方法

効果的なKPIを設定する為には、SMART原則を用いるのがおすすめです。SMART原則とは「Specific(具体的)」「Measurable(測定可能)」「Achievable(達成可能)」「Relevant(関連性がある)」「Time-bound(期限がある)」の5つの頭文字をとった言葉です。

SMART原則を用いたKPI設定

SMART原則を用いたKPI設定

SMART原則に基づいてKPIを設定することで、より効果的な指標を確立できます。

1. Specific(具体的)

明確で具体的な目標を設定します。曖昧な設定にすると、担当者によって達成できたかどうかが曖昧になってしまいます。誰が判断しても目標が変わらない具体的な値を設定するようにしましょう。

例: 「今月末までに新規顧客を20人獲得する」

2. Measurable(測定可能)

数値で測定可能な指標を設定します。測定不可能な数値を設定しても意味はありません。現実に存在するデータを元に計算で求められる数値を目標に設定しましょう。

例: 「月間売上を10%増加させる」

3. Achievable(達成可能)

現実的で達成可能な目標を設定します。非現実的な数値を設定してしまうと、形骸化しやすくなります。新年度の切り替わりのタイミングで、上長を安心させる為だけの目標を設定しても年度末に暗い顔をするだけです。上長は暗い顔を見たいわけではありません。誰も得しない目標は設定しないようにしましょう。

例: 「3ヶ月で売上を15%増加させる」

4. Relevant(関連性がある)

戦略的目標に関連する指標を選びます。目標を設定する際に、自社にない技術を利用することが前提になっている場合があります。自分たちが持っている技術や、裁量の範囲内で目標を立てましょう。

例: 「ウェブサイトのデザインを改善し、コンバージョン率を5%向上させる」

5. Time-bound(期限がある)

明確な期限を設定します。期限を設けることで、逆算的に予定を立てることが可能になります。

例: 「年末までに顧客満足度を85%に向上させる」

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具体的なKPIの設定ステップ

具体的なKPIの設定ステップ

KPIは、単純に数値目標を設定するだけではいけません。適切に数値目標を設定したあとでルールに沿って運用しなければいけません。KPIの設定ステップ(開始から運用まで)をまとめてみました。

1. 組織の目標を明確にする

組織やプロジェクトの戦略的目標を明確にします。目標がはっきりしているほど、適切なKPIを設定しやすくなります。数値を設定すると、自然に具体的な目標になるので、会社によっては採用面接で「数値」に注目をするところもあるそうですよ。これから面接を受ける学生の方は、数値を使った自己紹介ができるように準備しましょう。

2. KPI候補をリストアップする

組織の目標に関連する可能性のあるKPIをリストアップします。複数の候補を挙げて、その中から最も適切なものを選びます。組織の中で、どのような目標を立てるのか?については、選択肢を複数用意するようにしましょう。複数の目標を設定できれば、その中で最も得点の高い(組織にとってメリットの多い)目標を設定するようにしましょう。

3. SMART原則に基づいて絞り込む

リストアップしたKPI候補をSMART原則に基づいて評価し、具体的で測定可能、達成可能、関連性があり、期限が設定されたKPIに絞り込みます。特に、「関連性」については意識するようにしましょう。自分がやる意味のあることか?組織として対応可能な目標か?考えなければいけません。

4. 関係者と合意する

設定したKPIについて、関係者と合意を得ます。KPIは組織全体で共有され、全員が理解している必要があります。上長の目標と関係があるものになっているか?そういう目線でみる癖をつけるようにしましょう。いずれ、部下ができた時の為に、上長がどのような目標を設定しているのか?その理屈について理解するようにしておくと良いです。上長と上手にコミュニケーションをとって、上長の目標の意図を聞いておくと、自分の目標の参考にもなります。

5. 進捗をモニタリングする

定期的にKPIの進捗をモニタリングします。定期的なレビューを行い、必要に応じて調整を行います。毎月決まった時に、成果を報告するようにしましょう。個人的には、目標設定の段階でうまくできていない場合は「成果報告」ができない印象です。もし、成果報告ができない場合は、目標を一度ゼロベースで見直すようにしましょう。

6. 成果を評価し、フィードバックを行う

KPIの達成状況を評価し、成果についてフィードバックを行います。成功した場合はその要因を分析し、改善が必要な場合は次のアクションを計画します。会社の中で、KPIの達成を評価されるタイミングは、ボーナスや給料アップのタイミングになるでしょう。

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プロジェクト管理におけるKPIの重要性

プロジェクト管理におけるKPIの重要性

プロジェクト管理においてKPI(重要業績評価指標)は、プロジェクトの成功を評価し、目標達成に向けた進捗をモニタリングするための重要なツールです。「進捗の可視化」「目標の明確化」「パフォーマンスの評価」などのメリットがあります。

KPIがもたらすメリット

KPIがもたらすメリット

KPIを適切に設定し活用することで、効率的なリソースの配分ができるようになります。達成率を数値で管理することができるので、成果が上がっていない部分が明確になり、早い段階でリソースの無駄遣いを防ぐことができます。

また、うまくいっていない人に対しては、意思決定のサポートが可能です。曖昧な表現ではなく、数値に基づいた助言が可能です。感覚や直感に頼らない中長期的に効果的な戦略を実行することができます。

成果が見える化され、効果的で達成可能な目標が増えるので、チームのモチベーションも向上するでしょう。

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KPIがプロジェクト成功に与える影響

KPIがプロジェクト成功に与える影響

KPIの運用がうまくいくと、組織の生産性が向上します。

KPIの設定と運用によって、目標の達成度が見える化されます。会社の中の多くの人が、良し悪しが分かりやすくなるということです。誰が評価され、どういう人が評価されないのかが見えやすくなるので、評価システムがシンプルになります。

KPIのモニタリングを通じて、プロジェクト進行が改善され顧客満足度も向上するでしょう。KPIの運用をしない場合に比べて、潜在的なリスクも発見しやすくなり対策しやすくなる為、組織のリスク管理技術も向上します。

このように、KPIはプロジェクト管理において重要な役割を果たします。プロジェクト進捗を可視化し、チームのパフォーマンスを向上する強力なツールとなります。

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実録!プロジェクトに適したKPIの選定方法

実録!プロジェクトに適したKPIの選定方法

プロジェクトの成功に向けて、適したKPIを選ぶことは非常に重要です。とはいえ、どのようなものを数値として設定するのか?最初は迷ってしまうと思います。

ここでは具体的なKPIについて解説していきます。自分の業界ではどのようなものになるのか、置き換えて考えてみてください。

目標に合ったKPIの選び方

目標に合ったKPIの選び方

KPIを設定する際に、分かりやすいのは「売上」や「顧客満足度」でしょう。最初は、この2つに絞って設定するのが良いと思います。売上1つとってみても、月間売上高、平均販売数、リピート率といった値が浮かび上がってくるでしょう。最初は「月間売上高」でKPIを設定し、数値を計測して記録するうちに、出てきた数値をKPIとして設定するのが良いです。

KPIに設定しづらいケースは、過去のデータがない場合がほとんどです。少し多めに関連データを集計するようにして、今後のKPI設定に生かすのが良いでしょう。最初から100点満点を狙う必要はありません。間違っていても良いので、数値を設定し運用することが大事です。

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業種別の具体的なKPI例

業種別の具体的なKPI例

業種によって、KPIとして設定する値は変わります。なので、イメージしやすくなるようにいくつかの業種での例を上げるので参考にしてもらえればと思います。

1. IT・ソフトウェア開発

私自身が一番長くいた業態です。品質管理としてバグ件数はKPIとして設定しやすい数値です。また顧客満足度は、ストアの「星」の数や、コメントの数で表したりします。スマートフォンアプリにおいては、星の数が低い場合のコメントは「不具合報告」がほとんどです。不具合を減らすだけで、星の数を増やすことができるので、試してみてください。

バグ発生率: リリースごとに発生するバグの数を測定し、品質を評価します。

開発サイクル時間: 新機能の開発からリリースまでの時間を測定し、開発効率を評価します。

顧客満足度: 顧客のフィードバックを定量化し、プロダクトの改善に活かします。

2. 製造業

エンタメ系のCD製造やグッズ製造など、意外と関わっている企業が多いのが製造業でした。学生向けの会社説明会でVRレンズを配った時は、実際に製造する部分も経験しましたが、一定数不良品があったりするのでその辺りを数値化するのが良いと思います。

生産効率: 製造ラインの稼働率や生産量を測定し、効率を評価します。

品質管理: 欠陥品の割合を測定し、品質の向上を目指します。

納期遵守率: 予定された納期に対する実際の納品率を測定します。

3. マーケティング・広告

ブログ運営やSNS運営をすると、KPIの設定は必須になるでしょう。さまざまな数値がある為、データの海に溺れてしまわないように冷静に設定しましょう。

コンバージョン率: 広告キャンペーンによるコンバージョン(購入、登録など)の割合を測定します。

リード生成数: キャンペーンによって生成されたリードの数を測定します。

ROI(投資利益率): マーケティング投資に対する収益を評価します。

インスタグラム等のSNS運用をする際は、「ホーム率」「保存率」「プロフィールアクセス数」「フォロワー転換率」みたいな数値をKPIとして設定し運用するのが良いでしょう。それぞれの計算式も記載するので参考にしてください。

保存率:投稿が保存される確率です。「保存率=保存数/リーチ数」で求められます。目標値は、3%くらいの数値になるように設定しましょう。

ホーム率:どのくらいのフォロワーに届いているかを表した確率です。「ホーム率=フォロワーリーチ数/フォロワー」で求められます。3分の1のフォロワーに届いていれば良いでしょう。

プロフィールアクセス率:リーチした人数のうちプロフィール画面に遷移した人の確率です。「プロフィールアクセス率=プロフィールアクセス数/リーチ数」で求められます。こちらも3%くらいになるようにしましょう。

フォロワー転換率:フォロワー転換率は、プロフィールを見た人の中でフォロワーになった人の確率です。「フォロワー転換率=フォロワー増加数/プロフィールアクセス数」で求められます。10%になるように目指しましょう。

4. 小売業

ECサイトを利用した小売り販売に関してのKPIもまとめます。ストアで公開したゲームの売上などをイメージすると分かりやすいかなと思います。

売上高: 一定期間内の総売上を測定します。

客単価: 一人当たりの平均購入額を測定します。

在庫回転率: 在庫がどれだけ迅速に売れているかを測定します。

5. 医療・ヘルスケア

医療業界でもKPIの設定が可能です。患者の視点で、満足度に関わる数値を出していくとイメージしやすいのではないかと思います。

患者満足度: 患者からのフィードバックを基に満足度を測定します。

治療成功率: 実施した治療の成功率を測定します。

待ち時間: 診察や治療までの待ち時間を測定し、サービスの効率を評価します。

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KPIのモニタリングと評価

KPIのモニタリングと評価

KPIは、値を設定するだけではなくて、定期的なモニタリングと継続的な評価が重要です。プロジェクトの進捗を正確に把握し、目標達成に向けた戦略を適切に調整していきましょう。

KPIの定期的な見直しと更新

KPIの定期的な見直しと更新

KPIは一度設定したら終わりではなく、プロジェクトの進行状況や環境の変化に応じて見直しをしていきましょう。最初からどのタイミングで見直しを行うかスケジュールとして設定しておくのがおすすめです。

プロジェクトチームだけではなく、ステークホルダー(関係者)と定期的なレビューを実施し、KPIの状況を確認しましょう。関係者からフィードバックを収集し、KPIを評価します。評価しやすいように、丁寧にデータを収集しましょう。

KPIを評価したら、目標を更新しましょう。また、新しい指標が出てきたらKPIを追加しましょう。さまざまな数値を収集することで、プロジェクトの全体像を捉えやすくなります。もし、効果があまりないKPIがあるなら、一度削除するのも良いでしょう。モニタリング効率が上昇します。

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KPI達成度の評価方法

KPI達成度の評価方法

KPIは、達成率を出して評価しやすくしましょう。目標に対する進捗状況を視覚的に評価できます。

実際の目標値と、ギャップが大きい場合は、達成できなかった要因を特定しましょう。数値で管理しているので、改善策が出しやすくなります。評価が終わったら、より多くの人に共有しやすくなるようにレポートの形で残すようにしましょう。

このレポートには、定量的なデータだけではなく、チームメンバーの感想(定性的な評価)も記載するようにしましょう。

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まとめ 効果的なKPI設定のポイントと、プロジェクト成功のための次のステップ

まとめ 効果的なKPI設定のポイントと、プロジェクト成功のための次のステップ

いかがでしたでしょうか?

今回は、KPIの解説から設定方法、具体例などを紹介してきました。KPIは、企業が成果を出す為に学ぶ価値のある知識です。丁寧にKPIを設定し、適切に評価しながら運用することで、プロジェクトの「失敗」から得られる情報が増えます。

「失敗」が宝に変化するので、「失敗」ももはや「成功」と言えるでしょう。あなたのプロジェクトにもKPIを導入し、会社組織のパフォーマンスを向上させ、成功に導いてまいりましょう!

以上、ありがとうございました。

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