嫌な仕事だけど、社内で一番経験があるのが僕だから、と悩むサラリーマンの方。
新しいことしたいのに、今の業務で忙殺されている経営者の方…。
今日は、そういう組織の悩みを解決する注目の組織体型を紹介します。
こんにちは!コンじゃぶろーです!
この世界は絶えず変化し、ビジネスの形も日々進化しています。それに伴い、働き方や組織構造も大きな変革を遂げようとしています。いま、私たちの前に現れたのは、ティール組織と呼ばれる画期的なマネジメントスタイルです。一体、ティール組織とは何なのでしょうか?そして、なぜこれほどまでに注目されているのでしょうか?
この記事では、ティール組織の理念から実践に至るまでを深く掘り下げ、新しい時代のマネジメントへの道を探ります。上下関係を放棄し、役職を撤廃することで、どのような創造性や生産性が生まれるのか? 得意なスキルの社内シェアによって、どのような相乗効果が期待できるのか? 資金面の開示は、社員にどのような影響を与えるのか? そして、社員が自発的に事業を展開し、資金を調達することで、組織はどのように変わるのか?
また、ティール組織が誕生するまでの組織の歴史にも目を向けます。原始時代から現代に至るまでの組織形態の変遷を理解することで、ティール組織がなぜ今、求められているのかが見えてきます。
ティール組織を実現するためには、多くの課題が立ちはだかります。セルフマネジメントの実践、組織の意味・目的の共有、資金の調達・支払いのシステム…。これらの課題をどのように克服し、新しい形の組織を構築していくのか?
私たちが目指すのは、単なる効率や生産性の向上ではありません。それは、各個人が自己実現を果たし、互いに協力しながら、より良い社会を創り出すこと。ティール組織は、そんな未来への扉を開く鍵となり得るのです。
さあ、一緒にティール組織が切り拓く新時代のマネジメントについて探求しましょう。この革命の序章に、あなたもきっと心を動かされるはずです。
本日の記事、重要なポイント
- ティール組織とは
- 「組織」の歴史と、ティール組織の誕生
- ティール組織を実現する為の課題
マネジメントの常識を覆す!?社長や役職がいない「ティール組織」
「ティール組織」は、上下の役職が存在しない組織形態です。
社員一人一人が、社長の用に振る舞い自発的に行動する為、それ自体が生命体のように扱われています。
夢のような組織ですが、決して理想ではなく40年程前には、既に存在している実現可能な組織形態です。まずは、「ティール組織」について解説していきます。
マネジメント革命:ティール組織の全貌
ティール組織は、個人の意思を重視し、個々に必要な事を実施し、会社が進むべき目的地へ向かっていく進化型の組織として注目されています。
効率や利益を優先するあまり、「組織やそこで働く個人に悪影響を与えている事があるんじゃないか?」そういう観点に立って、生まれた組織形態になります。
ティール組織とは何か?「新時代の働き方」を解明
社長「この事業、儲かるけど、しんどいし・・・各部の報告を聞くだけで1日が終わる。正直飽きたから別の事業したいけど、今の事業をやめられない」
→ティール組織なら やりたくなかった事業は、社員が自発的に運用管理。報告も来なくなり暇になるから、新しい事業を始められる。
上司「こまかいことまで報告を受けたり、それを上に報告するのがしんどい・・・1日会議ばかりしている。人の評価やパワーバランスの調整もしんどい」
→ティール組織なら 会議がほとんどなくなる。社長への報告資料作成や、説明も不要になり、人事評価やマイクロマネジメントからも解放される。
社員「やりたくないけれど、自分のノルマだしやらなくちゃ・・・」
→ティール組織なら 自分の苦手な(嫌な)仕事と、他の人がやってる自分が得意な仕事を交換してもらえる。
組織の枠を超える:上下関係の放棄と役職撤廃
社長や上司がマイクロマネジメントをしなくても、目的の為に進化しつづけていく。
社内では、いかなる人も、他の人に指示はできない。相談や、アドバイスをもらう事ができる。
スキル共有の実践:得意を生かし、苦手を補う
社員同士が、自分達の意思で仕事を交換したり、シェアする。
得意分野と、苦手分野、やりたい事と、やりたくない事をオープンに共有して、自分が得意にしている仕事を、他の人からもらう事ができる(仕事のトレード)。
透明性の追求:資金面の開示と評価基準
基本的には、売り上げは諸経費を差っ引いて月末に社員に分配する。
給料の支給額や、評価基準は、全て社内で開示された状態になっている為、給与に関する不満が出ない。宵越しのお金を持たない方針のティール組織の場合、社員の年収が数千万になる。
社員が仕事をしなかった場合は、給料が支払われないが、そういう事はほとんど発生しない(社員が自発的に回避する)。
社員が自発的に事業(マネジメントの撤廃)
新しく始めたい事業があった場合、社内の専門家に相談し、自分の判断で新規事業ができる。
事業計画をして、会社のお金で事業をスタートさせる。
事業を開始した人がいると、その人がいた事業の人数が減り取り分が増えるから、仲間から賛成されやすい。
事業に失敗したら、元の事業に戻るだけ。
自発性を促す:社員から資金調達
貯金するよりも、自分の会社へ出資した方が得な為、各社員が進んで出資する。
銀行からお金を借りずに10億以上資金が集まる例もある。
- 上下関係を放棄する。
- 社員が、自発的に事業を起こす。
- 社員から資金調達する。
ティール組織の歴史:進化の足跡
ティール組織はどうして生まれたのか
人類は進化と共に、時間をかけて組織の形を進化させてきました。
それぞれの時代で、人類が進化させた組織形態とその課題を元にパラダイムシフト(考え方の劇的な変化)が起こったのかを紐解いてみたいと思います。
原始時代(5万年前)の組織(受動的パラダイム)
協業のはじまり。
家族単位で行動し、複数人で狩りを行いはじめた時代。
猛獣や自然から身を守ったり、多くの食料を手に入れる為に協力する事を始めました。
縄文時代(1万年前)の組織(神秘的パラダイム)
宗教のはじまり。ムラ社会のはじまり。
氷河期等、厳しい自然環境の時代。飢餓から身を守る為に離れた集落同士で協力する必要が出てきた。
宗教により、初対面の人と短期間仲良くなれるような組織が生まれ始めた。
時に歌い、酒を飲み、共感しはじめた。
弥生時代・古墳時代(1000~2000年前)の組織(レッド組織・衝動型)
仕事の分業化と、トップダウンの世界。
強いリーダーによる、暴力と恐怖での支配。
いつ誰に裏切られるか分からない、安心できない社会。
戦国時代(1000~70年前)の組織(アンバー組織・順応型)
ピラミッド構造の組織。
仕事の分析が進み、再現可能なプロセスで実施されはじめる。
変化の無い保守的なシステムの為、成長しづらい。
高度経済成長・バブル時代(70年前~現代) の組織(オレンジ組織・達成型)
目標達成の為の意思決定を優先した組織。
目標は常に右肩上がりで、目標未達成には明確な説明が求められる。
変化を促すイノベーションが起こりやすい。
効率化の為に、組織の細分化が進む。
飴と鞭を使った人のモチベーション管理(目標達成:ボーナス 目標未達成:減給・降格)
利益の追求で、私生活を犠牲にする傾向がある為、空虚な終焉を迎える人が多い。
現代(平成)の組織(グリーン組織・多元型)
NPO法人等では、かなり昔から存在していた組織形態。
全員に権限を委譲する動きが活発。
逆ピラミッド構造(社員が上、CEOが一番下)
組織の目的が、利益ではなく、社員の価値観に基づいて意思決定される。
価値観が組織を束ねている。株主、社員、顧客、地域、環境も含めて幸せを目指す。
現代(令和)の組織(ティール組織・進化型)
上下の役職を撤廃した組織。
説明責任や報告義務等、生産性を下げている状況を解決する新しい組織の形。
仕事と個人を分けない考え方で、社員が自発的に向かう先が、組織の目的と一致した状態を目指す。
- ティール組織が生まれた背景を知る。
ティール組織を実現するための挑戦
ティール組織は、かなり画期的な組織の形です。
なので、何でもうまくいく印象をもたれた方もいるかもしれません。
しかし、全ての企業が、すぐにティール組織にしよう!とはならないと思います。
ティール組織にした場合の課題等もまとめてみました。
セルフマネジメント:自律と責任のバランス
今の日本の社会では、指示待ち人間が多いです。
指示待ちになれた人には、セルフマネジメントはかなりハードルが高いと思います。
長らくピラミッド構造に慣れ過ぎている為、自分で自分の仕事を決めるというのに戸惑う人もいるんじゃないでしょうか?
実際にティール組織を導入した企業でも、最初は多くの社員が戸惑うようです。
例えば、電話を受けた時、「担当者につなぐ」でOKでしたが、自分で処理しなくてはいけない。
いままで他の人にお願いしていた「これ、やっといて」が通用しなくなります。
しかし、手に入る利益も大きくなる為、社員が自発的に学び克服していきます。
目的共有:組織の意味を見つけ、共感する
組織の意味、目的を考えなさいと、急に言われても困る。
これまで考える必要が無かった部分なので、簡単には考えられない人も多いと思います。
ティール組織では、組織の意味や目的を書き出して、全員で共有します。
それに対して、自分で「WHY(なぜ)?」をつきつけて深掘りしていく。
個人の大切にしたい価値観も書き出し、共有するうちに、
組織の存在意義や目的を達成する為のアンテナが育っていきます。
あとは、その書き出した方法を自分の意思で選択して実行していくだけです。
資金の調達と管理:持続可能な財務戦略
ティール組織の給料の支払いは、通常の会社に比べて少しややこしいです。
しかし、月末に給料が支払われないかもしれないので、社員が自発的に学びだします。
学べば学ぶ程、取り分も増える為、学習が止まりません。
資金の調達に関しても、社員は自発的に学習し「会社へ資金を出資した方が取り分が多くなる。」という解答へたどり着きます。
その為、想像以上に資金が集まるそうです。
社員の人数にもよりますが、銀行からお金を借りずに、十分な資金が調達できたりします。
- セルフマネジメントは、ハードルが高い。
- 自分の意思で選択して実行するから、学びが深い。
- 社員が自発的に学び出す。
まとめ:ティール組織が描く未来像
ティール組織の誕生までの歴史と、ティール組織に関しての解説をしてきました。
皆様はどういう印象を持ったでしょうか?
僕の印象ですが、今の日本は「ティール組織」どころか「レッド組織」な会社も多いのでは?と思いました。
暴力と恐怖で支配する体制とまではいいませんが、給料と賞与という甘美なるモノで支配する体制であるように思います。
ティール組織であれば、苦しい事や、頑張るような事はしなくてよくなります。
夢のような世界に見えますが、お金を払って人が集まる「オンラインサロン」も、ある意味「ティール組織」と言えるのではないかと思いました。
ひっそりと、しかし確実に「ティール組織」は、僕らの社会に溶け込んできています。
あなたの所属する組織は、何色ですか?
以上、さしあたり、今思う事でした。
ここまで読んでいただけてありがとうございます。
皆様の良い人生の一助になれば。
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