あれ?またスケジュール遅れ…どうして?
ゲーム開発の現場はもちろん、システム開発の現場でも、毎回スケジュール遅れが発生しているチームにとっては、なぜスケジュール遅れが起きてるか分からないですよね。そんな方はこの記事を読んでみて下さい。
こんにちは!コンじゃぶろーです!
開発プロジェクトを始める際、成功への興奮と期待は高まりますが、同時に多くの落とし穴が待ち受けています。特に、プロジェクト初動で犯すミスは、納期遅れや品質の低下といった深刻な結果を招きかねません。しかし、これらの初動ミスは予測可能であり、適切な対策を講じることで回避することが可能です。「納期遅れを回避!開発初期の3大ミスとその対策法」では、開発プロジェクトを成功に導くための重要な洞察を共有します。
プロジェクトが軌道に乗る前に遭遇する可能性のある3つの主なミスは、前提条件の認識不足、見積もりの誤り、そして作業優先順位の決定ミスです。これらのミスは見過ごされがちですが、プロジェクトの運命を左右する力を持っています。一見取るに足らないこれらの初動ミスが、後になって大きな障害となり得るのです。
しかし、心配は無用です。この記事では、これらの一般的なミスを防ぎ、プロジェクトをスムーズに進行させるための具体的な対策を紹介します。さらに、「記録する」習慣を取り入れることで、これらの問題を未然に防ぐ方法も掘り下げていきます。毎日わずか10分の記録が、どのようにしてプロジェクト管理を革新し、チーム全体の生産性と効率を向上させるか、その魔法に迫ります。
私たちの目標は、あなたが開発プロジェクトを始める際に直面するかもしれない不安や問題を払拭し、自信を持って成功へと導くことです。この記事を通じて、納期遅れの不安を抱えることなく、プロジェクトを円滑に、そして効率的に進められるようになるでしょう。さあ、開発プロジェクトを成功に導く旅を始めましょう。
本日の記事、重要なポイント
- 開発で失敗しやすい、3つの初動ミス
- 「記録する」を習慣化し、活用する
- 「記録する」習慣で、成長する
見積もり失敗をなくす!効果的な開発プランニングガイド
経験が豊富なベテラン技術者は、肌感覚が研ぎ澄まされている為、すばやくスケジュールを組み立てる事ができます。
一方で、経験が無い技術者は、経験が無いのに肌感覚に頼り、根拠の無いスケジュールを立てがちです。そして、肌感覚を鍛える事も、あまりしていないため、次から次に失敗していきます
ベテラン技術者は、積極的にスケジュール管理方法を教えてくれません。
なぜなら、経験豊富なベテラン技術者も、経験が無い若い頃、肌感覚に頼った開発をしてきた為です。
いっぱい失敗しながら対応してきた為、それ以外の方法を知らない場合も多いです。
では、どうすれば経験が浅い技術者が、ベテラン技術者並の肌感覚を手に入れる事ができるでしょうか?
今日は、肌感覚に頼らない、実績記録の方法を紹介します。
プロジェクト初動でのミスを未然に防ぐ
まず、スケジュール管理で問題が大きくなりやすいのは、納期間際です。
なぜなら、納期間際の時点で、納期に遅れるか、遅れないかは、経験に関係なく誰でも理解できるからです。
明日納期なのに、どう考えても今日中に完成しないのは、誰にでも分かります。
こういう場合、全員が「このままじゃ間に合わない」と感じているので、末端まで伝わりますし、ことここに至ると、隣のプロジェクトメンバーも理解しているので、サポートに乗り出してきたりします。
できるだけ、早い段階で問題を見つける為にしなくてはいけないのが、
今日紹介する「実績を記録する習慣」です。
普段の実績を記録する事が、どう対策につながるか説明する前に、スケジュールが遅れる原因について解説したいと思います。
開発でよくある3つの初動ミスとその影響
納期に遅れる時の原因は、その全てが最初の計画段階にあると言っても過言ではありません。
私は、20年近くIT業界にて、ゲームやITシステムを開発してきました。そして、様々な納期遅れ問題に直面してきました。そのすべての問題を分析し解析すると、その原因は全て「初動のミス」にある事が分かりました。
初動に手を打てていれば、ほぼ問題なく案件を回す事ができます。
案件の規模にもよりますが、初動でなくても、納期から1~2ヵ月の猶予があれば対応可能です。
できるだけ、速く初動の遅れに気づくのが良かったりします。
そんな初動の遅れの原因のベスト3がこちらです。
1.前提条件の認識不足
2.見積もりの誤り
3.作業優先順位の決定ミス
ちょっと耳が痛い…、そう思った方は見込みがあります。
まずは、ミスしてしまっている部分を認識することが大切なんです。認識できるから改善できるんです。
初動ミスの防止策
3つの初動ミス「前提条件の認識不足」「見積もりの誤り」「作業優先順の間違い」を認識したら、この次はどうするのか?
同じミスを繰り返さない仕組みを作る必要があります。それでは、それぞれのミスについての考え方について解説します。
前提条件の認識不足をどう防ぐか
前提条件の間違いとは、作るモノを間違っていたパターンです。
初動のミスの中では、一番多く、一番影響が大きい原因です。
そんな事ってあるの?と思われた方もいるかもしれません。
システム開発やゲーム開発の現場では、クライアントが想像している通りに、モノが作られない世界です。
もちろん、徹底した品質管理や、コミュニケーションによって、想定通りの成果物が出来る事もあります。しかし予定通りのモノが出来る事は、ほとんどありません。
IT業界に限らず、人が住む家ですら、設計図通りに作られない事があるくらいです。
案件受注前に、前提条件に関してしっかり話合う必要があります。
多くの技術者は、何度も失敗を繰り返して、少しずつ改善していくパターンがほとんどだと思います。
経験が無い技術者でも問題が起きないようにするには、過去の実績を分析する必要があります。
見積もりミスを避けるための戦略
見積もりとは、対応する作業それぞれに、何時間ずつかかるかを記載したモノだと思って下さい。
100個作業があって、それぞれが1時間の作業であれば、全部で100時間かかります。
しかし、全ての作業に対して、予定よりも1時間ずつ余計に時間がかかってしまうと、予定の倍かかる事になります。
遅れが出ても、1つ1つの作業はたいして時間の差がありませんが、100個も200個も遅れが出ると影響力が大きくなります。
経験豊富な熟練技術者であれば、1つ1つの見積もり精度が高いので、ズレはそれほど大きくなりませんが、初心者技術者の場合は、どう作ったらよいのかも分からない場合もあり、予定が狂いやすくなります。
過去に似たような案件の実績を参考にすると、精度を上げる事ができます。
作業優先順位の決定ミスを防ぐ方法
システム開発や、ゲーム開発の現場では、そのボリュームがとても大きい為、1つの作業を分解して、様々な職種の人に分配して対応していきます。
すると、作業の順番を入れ替えるだけで、効率化ができるようになります。
経験のある技術者であれば、完成までの道筋を描いて、効率的な順番で作業ができますが、経験のあさい技術者にはそういう事ができません。
過去の実績を元に、作業順序を入れ替えて、どの順番で開発するのがベストなのかを導き出す必要があります。
- スケジュール管理で、問題になりやすいのは終了間際
- スケジュール管理の問題の主な原因は、初動のミス
「記録する」習慣の力
過去の実績があるだけで、スケジュールの精度を上げる事ができます。
案件が納期遅れになるベスト3を解説しましたが、いずれも過去の実績が残っていれば回避できるようなものばかりです。
もちろん、過去のデータがあっても、それを倉庫等にしまって使っていなければ何の意味もありません。
記録を残し、それを活用する必要があります。
その為の方法はシンプルです。
まず、「毎晩、実績を記録する」そして、「週に1回、実績をふり返る」だけです。
いずれも、10分ずつあれば事足ります。
日常の記録:毎晩10分間の実績記録
1日の終わりに、今日やった事を1時間単位で記録してください。
30分の作業であれば、小数点を使って0.5時間として下さい。
これだけです。
作業内容は、箇条書きで問題ありません。
毎日実施することの重要性
必ず、毎日実施してください。
1週間分をためて実施すると、思い出すだけで時間が無駄にかかってしまいます。
記憶を思い出す行動は、脳の記憶力を増やす効果があるそうですが、だからといって後回しにすると効率は悪いです。覚えているうちにアウトプットすれば10分で済む作業なのに、1週間分まとめて実施すると10倍以上時間がかかり、記録の精度も低くなります。
精度の低いデータは、ないよりましですが、極力精度は高い方が良いです。
オンラインでの管理の利点
作業実績は、オンライン上で記録できるとベストです。
オンラインであれば、他の人の実績も見る事ができるからです。
オンライン化のメリットに関しては、以下のようなものがあります。
- 過去の実績を確認するのに、本人から聞き出す必要が無い
- 実績計算が容易なので、分析しやすい
- ローカルで管理すると、PCが壊れた時に、実績が永久に消滅してしまう
- 日報の作成が不要になる。(1日何をしたかは、これを見れば分かる。)
週次の振り返り:週に1回の10分間レビュー
週の終わりに、実績をふり返って下さい。
これは、ぼーっと見るだけでもかまいません。
時間を決めて、実績を見る時間を用意してください。
毎週見ていると、それだけで様々な気づきが得れるようになります。
「記録する」、そして「振り返る」。この2つのサイクルを繰り返すだけで、失敗しづらいスケジュール管理ができるようになってきます。
それでは、実績データをどのように活用するのかを解説していきたいと思います。
- 毎日実績を記録し、週1回振り返れば防げるトラブル
- 実績は、オンラインで管理し、記録後に即共有する。
成長への道:「記録する」習慣の活用
作業を記録する習慣ができると、何も考えないで仕事するよりも早いスピードで成長できるようになります。
頭を使っていないように見えて、「記録する(アウトプット)」「ふりかえる(インプット」を繰り返すだけで、無意識に様々な所に改善が現れ、良い影響が出てきます。
丁度、毎晩体重を計り、食べたモノを記録するだけで、体重が減ってくるというのに似ていると思います。
これだけで十分成果がありますが、折角記録したデータなので、もっと有効に利用したいですよね。
実績データに基づく前提条件のミス防止
前提条件によるミスに関しては、先に解説させていただきました。
前提条件の誤りによるミスは、とても多いですが、実績データから分析すると非常に、原因が分かりやすくなります。
予定と実績の比較
前提条件のミスを防ぐ為には、どの作業に関して前提条件が誤っていたのかを調べましょう。
前提条件に謝りがあると、当初予定していない作業が増える事になります。
プロジェクトを開始した時の予定と、プロジェクトが終了した時の実績を見比べてみて下さい。
当初予定していた作業になかった作業がどれくらいあるかが浮き彫りになるはずです。
熟練者からのフィードバックの活用
経験値が少ないと、前提条件の誤りに気づけない場合もあります。そういう場合は、熟練者を頼りましょう。
実績データは初心者だけで分析しても、十分気づきはありますが、熟練者を混ぜるだけで、その精度は飛躍的に増します。
熟練者にアドバイスを求める件に関しては、こちらの記事にまとめています。
スケジュールを作成する際に、過去実績を持ち寄る事でさらに、スケジュールの精度を高める事ができます。
実績データを使った見積もりミスの防止
作業の見直しをする際に、重要になるのは、予定より早いのか遅いのかです。
作業実績を記録する事で、この比較が容易になります。
予定時間と実績時間の比較
予定していた時間と、実績時間を比較すると様々な事が分かります。
予定していた時間よりも、速く終わった場合は、対応漏れがないか確認すればいいですし、予定よりも時間がかかった場合は、その原因を探れば気づきが得られます。
たとえ予定通りに作れても注意は必要だったりしますが、この比較が入るだけで防げる問題は多いです。
開発中のスケジュール見直し
過去の実績を分析すれば、見積もりの精度を上げる事は出来ます。しかし、100%にはできません。
開発中に、定期的に見積もり精度の見直しをするようにして下さい。
こちらは、見積もりの間違いに気づく為のタイミングに関して記述した記事です。
過去の実績をみながらチェックする事で、スケジュールの質を高める事が出来ます。
実績データによる作業優先順位の誤り修正
作業実績を付けて、さらに毎週見直しをする習慣ができると、作業順の誤りに気づきやすくなります。
また、普段対応している手順を変えてみるといった実験もやりやすくなります。
過去のデータがある為、実験の効果もハッキリと比較できるので、とても効率よく試す事ができます。
また、作業優先を狂わす大きな要因は「割り込み」作業です。
割り込み作業が発生すると、作業優先順がぐちゃぐちゃになって、混乱してしまう事がありますので、そういう場合は、こちらの記事を参考にして下さい。
過去の実績データを活用すれば、予定していない割り込み作業自体を減らす事もできます。
- 予定と実績の比較で、課題が見えてくる
- 作業優先の変更で、効率化の実験ができる
まとめ:「記録する」習慣でプロジェクト管理を革新
作業実績を記録する方法と、そのメリットに関して解説してきました。
かなり再現性が高く、やれば誰でもできる技術です。
シンプルなこの手法を使えば、あいまいな肌感覚に頼らずに進める事ができます。
ただ、僕は、肌感覚も大事だと思っています。
実績だけでは、気づきづらいトラブルも、この世には存在するからです。
これまで説明した内容に反する事を言い出して混乱を招くかもしれませんが、肌感覚が大事だからこそ丁寧に使いたいと考えています。
全ての事をごちゃまぜで、全部肌感覚で判断すると、精度はがた落ちになります。
しかし、肌感覚に頼らないですむ場所は実績データの分析で対応し、シンプルな状況にした上で肌感覚を丁寧に使っていく。そういうのが、より安全な開発にできる理想の形ではないかと思うのです。
以上、さしあたり、今思う事でした。
ここまで読んでいただけてありがとうございます。
皆様の良い人生の一助になれば。
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