チームの生産性が上がらない…。
いつも問題ばかり起きる…。
そういう悩みを抱えている方は、こちらの記事をどうぞ!
こんにちは!コンじゃぶろーです!
ゲーム開発に限らずビジネスで成功するためには、個々の能力を持つだけでは不十分です。本当の力を発揮するためには、組織全体として方針を決めた上で強化すべき箇所にチームのリソースを集中しなければいけません。
私も、20代でゲーム開発を始めて以来、ずっとそのことを考えさせられてきました。なぜなら、下請けでゲーム開発をしていたので、無駄なコストを使うと即赤字になってしまう危険があったからです。
今回は、20年以上ゲーム開発してきて得た知識の中から、チームの力を高めるために必要な3つの要素を紹介します。さらには現場で直面する様々な課題とその具体的な対策方法もまとめました。
ゲーム開発に限らず、ITシステムの開発、店舗経営にいたるまで、
チームを強化して生産性をあげる」ことは、大きな課題になっているでしょう。
作業量の多さによる情報共有の難しさ、チーム内での意見の衝突、さらには責任範囲の曖昧さなど、プロジェクトには数々の課題が隠れています。これらの課題を克服するためには、個別に対応していては時間が足りなくなります。なので、原理原則に従って行動するマインドが重要になります。
チーム内での明確な要件の共有、作業の効率的な分担、進捗状況の透明性の確保などが不可欠です。この記事に書かれた内容を実践することで、チーム全体の生産性と効率を飛躍的に向上させることが可能になります。
さあ、チームの可能性を最大限に引き出す旅に一緒に出発しましょう!
本日の記事、重要なポイント
- 組織で実現するチカラを発揮するのに必要な3要素
- 組織で実現するチカラを鍛える為に、今思うこと
組織力強化!情報共有で、チームの生産性を上げる。
組織のチカラとは、組織内の人々がその能力を十分に発揮して何かを成し遂げるチカラの事です。一人に責任が集中していたり、それぞれがバラバラに活動する状態ではありません。
一人一人が、組織の方針に沿って目標(KPI)を立て運用し、全員が全力投球することで大きな力になっていきます。
組織にいる個人の能力を十分に発揮するには、「作業量」、「考える」、「見る」を、最大にする必要があります。
組織力強化!チームのチカラを発揮するのに必要な3つの要素
チームの生産性を上げる3つのチカラはこちらです。
- 作業量:何かを作る時に、必要な仕事の量をこなすチカラです。
- 考える:何かを作る時の内容を決めたり、問題を解決したりするチカラです。
- 見る:成果物に問題が無いか、評価するチカラです。
ワンマン体制では、「考える」と「見る」がリーダーに集中します。
これは、小さな会社の経営であったり、小さなプロジェクトに多い手法です。
20代に注力していた「ガラケー用のゲーム(アプリ)」は、とても開発期間が短く、たいてい3ヵ月で1本作るような、そんな規模でしたから、ワンマン体制の方がやりやすかったです。
あの頃の僕は、忙しい仕事の中で、目先の利益ばかりを優先していました。
開発メンバーの「考える」「見る」といった事を完全に放棄させ、限られた時間と費用の中で、一番安定してできる『1人でやるスタイル』を、ずっとつらぬき通してきました。
中長期的なメリットを放棄しているので、一生楽になる事はありません。結果、どんどん仕事量が増えて、誰にも仕事をふらず自分で抱え…、抱えきれなくなった時に自滅する。リーダーが潰れると進めなくなるので、チームとしては非常に弱くなります。
あの頃の自分にアドバイスするなら「ゆでガエルになっているぞ!」です(ゆでカエル理論)。最初は、規模が小さかったのでなんとかなりますが、業界の成熟と共にどんどん規模が大きくなっていきました。
今、思えば、あの頃は、しっかりメンバーに任せておけばよかったと思います。
たらればは、よくないけれど…、もったいない。
組織力強化!チームのチカラを鍛える為に、いま思っている事
「作業量」「考える」「見る」の3点に関して、チームで対応しようとすると課題が出てきます。
- 作業量:複数の人で作業する場合に、情報の共有がしづらくなる。
- 考える:複数の人で考えると、意見のぶつかり合いが起こる。
- 見る:複数の人で見る場合、守備範囲があいまいになりやすい。
ワンマンで対応していれば、この3つは非常に簡単なものですが、チームで対応しようとすると急に難易度が上がってしまいます。ただ、難しいからやめますか?
もし、難しいからワンマンで行きますと考えている人は、僕の失敗から学んでほしいです。わざわざ同じ失敗をする必要はありません。
組織力強化!課題①「作業量」複数の人で作業する場合に、情報の共有がしづらくなる。
作業する人を増やせば、1度に片づける作業量は増え、開発期間は短くなります。
ただ、人を2倍に増やせば開発期間が半分になるというわけではありません。
最適な期間と人数がいても「情報共有」ができていないと効率が極端に下がる事があるからです。
棚を組み立てる仕事で、Aさんは、棚を組み立てる。Bさんは、ひたすら棚を解体する。いつまでたっても、棚は全部組み立て終わらない。
地獄・・・。
嘘みたいな話ですが、似たような問題が起きたことがあります。ゲームプログラミングは複雑なので、こういったことが起きてしまいます。
それまで作業した成果がなくなるだけならまだマシで、実際はもっと深刻なトラブルに発展します。自分が必死になって作ったものを、他の人につぶされたら腹が立ちますよね。チーム全体が険悪なムードになってしまい作業効率が下がってしまいます。
情報共有ができているだけで、未然に防げる問題は山ほどあります。
ここでは、主要な注意点を3つ紹介します。この3つに気をつけていれば、少なくとも上記の問題は発生しないと思いますが、やはり落とし穴もあります。
組織力強化!課題①の対策 (1)要件を明確にして、メンバーで共有する
「要件」とは、何を作るかを明確にしたモノの事です。要件書や、仕様書というモノを作成して全員で共有します。
案件開始直後は、キックオフ等をして今から何を作るのかを明確にすれば、大きな問題は起きなくなります。開発中も、定期的に完成イメージを共有するようにします。
【注意 落とし穴ポイント】:仕様書の影響力が強い
仕様書を用意すると、完成したモノは仕様書以上のものになりづらくなります。
仕様書なしに作った方が、結果的に優れたモノになったケースは多いです。しかし、仕様書無しで作ると出戻りが多くなります(開発費が増える)。僕のかかわってきた案件は、99%が受注開発なので、ほぼ仕様書を作って開発してきました。
仕様書を作ってしまうと(作り方にもよりますが)、1つ変えれば影響範囲が大きくて、変更しづらくなります。
あえて仕様書を用意せずに作るといった方法もあります。(大手に多い気がしますが、トラブルも多いです。)
組織力強化!課題①の対策(2)作業の分担を明確にして、メンバーで共有する
誰がどこを担当しているか、全員が把握する。
誰が、どこを担当しているのかが分からないと、事故がおきやすくなります。
同じ作業をしないようにしたり、担当者のいない作業を無くすのが目的です。
【注意 落とし穴ポイント】:作業をあいまいにしない
作業の分担をしたから大丈夫!そう思っていると落とし穴にはまります。分担した内容があいまいだった場合に、それぞれが良いように解釈してしまい、誰もやっていない仕事が発生したりします。
作業の分担内容は、全員でレビュー等して精度をあげるようにしましょう。
組織力強化!課題①の対策 (3)進捗状況を、メンバーで共有する
日報や週報を用意したり、定期的にミーティングをして進捗状況を共有しましょう。
日報や会議をしなくても、オンライン上の掲示板やチャットで、状況が確認できれば良いと思います。
【注意 落とし穴ポイント】:報告に嘘があったり間違ったりしている事がある
進捗が遅れている事を隠す場合や、対応内容に問題がある場合、予定が狂います。
これが結構難問で、成果物をチェックするようにすると、そのぶん手間ですし、メンバーが「信用されていない」と感じて、トラブルのタネになったりします。
最近は、あまり管理しない「信用する」スタンスが注目されているようです。
組織力強化!課題②「考える」考える人間を増やすと、意見のぶつかり合いが起こる
人が、たくさん集まれば、非常に良い意見が出やすくなります。
ただ、意見のぶつかり合いが発生すると、それをまとめるのに骨を折る事になります。
中長期的な目線で考えれば、骨を折る事を恐れずに意見を出し合えるメンバーを育てる事が重要だと思います。
自分ひとりで考えるのではなく、皆で協力して考える道を選んでいかなくては、いつまでたっても人は育たないからです。
また、世の中には、様々なセンスを持った人々が存在します。「企画」「提案」「プログラミング」「音楽」「絵」「文章」「設計」「広告」「販売」「集客」等々、センスは多種多様で、1人でその全てをまかなう事はできません。
もし、全てに対してバランスのよいセンスを持っていたとしても、平均点は低いと思います。
とがったセンスを持った様々な人があつまって何かを作ると、グループのセンスは、メンバーのセンスの最大値を利用する事ができます。センスの共有は、非常に価値があります。
組織力強化!課題②の対策 トラブルを恐れない
非常に骨が折れる作業ですが、意見を戦わせる事から逃げてはいけません。
そこから逃げると、僕のように中長期的な改善をせずにつっぱしり、多くの時間や仲間をロスする事になります。
組織のチカラがあれば、センスを共有して大きな壁を乗り越える事もできる。
組織力強化!課題③「見る」 複数の人で見る場合、守備範囲があいまいになりやすい。
組織において、見るチカラを鍛えるには、担当者に「まかせる」をしていかなければいけません。
それぞれの担当者の守備範囲があいまいで、見れていない場所が必ず出てきます。
僕は、それが怖くて、最初から全ての責任を自分に置きました。
1人では、絶対に見えない部分が出てきます。必死に勉強してそこを把握するようにつとめましたが、どうしても見えていない部分が出てきてしまいます。
組織力強化!課題③の対策 失敗を恐れずに「まかせる」責任者を決める
大変ですが、誰かに「まかせる」必要があります。一人では上手くできないから、責任(守備範囲)を分担する方法と、向き合わなくてはいけません。
まかせる事で、責任のなすりつけあいがおきるかもしれません。
しかし、それを恐れてはいけません。
組織で実現するチカラを鍛えるには、トラブルも避けては通れない道なのです。
まとめ 組織力強化!チームの力を日頃から意識する
組織で何かを実現しようと思うと、非常にたくさんの課題がでてきます。
僕のように、なんでも1人で考え実行していけば、楽かもしれません。
しかし、1人でできる事には限界があるので、いつか壁にぶつかり頭打ちになります。
そうならない為に、困難な道に向き合っていく必要があります。
エンタメに限らず、何かモノを作る時『1人では乗り越えられない壁』は、すぐにやってきます。
そんな時に、ここで紹介した「組織マネジメント」に対する課題を思い出してもらえると幸いです。
まさに、道なかば。
以上、さしあたり、今思う事でした。
ここまで読んでいただけてありがとうございます。
皆様の良い人生の一助になれば。
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