ゲーム開発、どこから手をつけるか?

ゲーム開発、どこから手をつけるか? さしあたり、いま思う事
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ゲームってどこから作ればいいんだろう?

開発ツールが優秀すぎて、使いこなせない…。

風呂敷を広げすぎて迷子…、そういう方はこちらの記事をどうぞ!

コンじゃぶろー
コンじゃぶろー

こんにちは!コンじゃぶろーです!

ゲーム開発をする際に、どこから作り始めるか?は、とても悩ましいことですよね。

私の場合は、そんな余裕がなかったというか、「とにかく作れ!いつまでに考えろ!」という強烈な締切に駆られて企画していたので、考えついた企画は片っ端から試していました。思いついたらやるという形です。20年以上のクリエイター人生の中で、20代の10年間が一番企画した時期ではないかと思います。

企画するだけじゃなくて開発も並行して進めていたので、時間的にも体力的にも余裕はありませんでした。なので、「思いついた切り口」があるならすぐに作ってみる。そういうスタンスで挑戦し続けてきました。今日は、その経験をもとに記事にまとめたいと思います。まずは、ゲーム開発の切り口のバリエーションの多さについて学び、その後にある程度方向性をつける方法について紹介します。

要するに、ゲーム開発は始めるよりも終わらせる方が難しいわけなんですが、日々ゲーム開発の相談を受けていて思うのは、初心者ほど「切り口」に迷いすぎということです。心配しなくても、切り口が間違っていたら早い段階で詰まって先に進めなくなります。だから、考えてばかりいるよりもさっさと作って壁にぶち当たった方が早かったりするんです。

大事なことはクロージングです。多くの人が、入り口の壁を突破して「完成させる」という経験を積むきっかけになればと願います。

ゲーム開発の切り口は、選択肢が多い。だからこそ悩む。

ゲーム開発の切り口は、選択肢が多い。だからこそ悩む。

ゲーム開発というのは彫塑(粘土彫刻)に近いと言われたりします。

付け足すのも、ちぎるのも削るのも自由自在です。作り手の感性や技術に合わせて、いつまでも作り込むことができます。もちろん、人・物・金の制約があるので無制限ではないんですが、どこから作っても作れてしまうんです。

私の場合は、限られた時間の中作る必要があった為「工数」を最重要視した作り方をしていました。つまりは「仕様書」を極限まで作りこみ、スケジュール通りに完成させるという作り方です。システム開発をメインに受注している会社でゲームを作らせてもらっていたので、工程管理は厳しかったんですよね。ただ、きっちり作る為という名目で、いろんな切り口の実験はしていました。

これが、とても良い経験になったので、まずは、その切り口のバリエーションをおさらいしてみましょう。

切り口のバリエーションを知ろう

切り口のバリエーションを知ろう

なんとなくゲームを作り始める。そういうスタンスで作り始めると、面白さが形になりづらいです。

切り口は、ゲームの根幹を成す「コンセプト」になる部分なので、作っているうちにブレてしまうといけません。1人で作っていて、予算や期間に限界がないならば、面白くなるまで行き当たりバッタリで作るということは問題ありません。

ただ、チームで開発する際は、行き当たりばったりの開発は非常に危険です。方向転換する度に、無駄になる部分が増えていくからです。しかも意思疎通が下手だと、現在の狙っている「コンセプト」がバラバラになり、ゲームの内容が曖昧になってしまいます。

まずは、何を大切に作っていくのか「切り口」のバリエーションを知ることが大事です。できればチームメンバーとも共有して、他にどういう切り口があるのか話し合ってみて欲しいです。

ジャンルから考える

ゲームジャンルから考えるのが、一番作りやすいのではないかと思います。

シューティングとかパズルとか、ジャンルを決めて作っていく方法はイメージしやすいでしょう。目新しさを求めるならば、2つ以上のジャンルを組み合わせて、新しいジャンルを考えるのがオススメです。実際には、新すぎるジャンルはイメージしづらく、ゲームのルールがわかりづらくなる点には注意が必要なので、8割くらいはベタにして、2割くらい新鮮なものにするようにバランスを考えましょう。

「レースゲーム+マラソン」とか、「シューティング+パズル」など、イメージしやすいものが良いです。もし、誰もみたことがないジャンルにしてしまうと、イメージしづらくて手に取ってもらう機会を失ってしまうので注意しましょう。

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物語や世界観から考える

物語や世界観から考える

徹底的に世界観を作り込んでからゲームにする。そういう作り方もあります。

まずは、特定のテーマに関する画像や音楽の素材を集めます。必要であれば、デザイナーやサウンドクリエイターに素材を作ってもらうのも良いでしょう。素材がたくさん上がってきたら、定期的にレビューを行い「自分たちが作るゲーム」のイメージを固めていきます。

ある程度方向性が決まったら、実際に操作できるプロトタイプを作成し全員でプレイし、「価値」があるのかを吟味します。

ゲームは、好きな世界観の中に没入するということも大事な要素です。最近では、没入(イマーシブ)というキーワードを使ったエンタメが増えてきている通り、没入できる世界には価値があります。

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ゲームのギミック、メカニズムから考える

ゲームのギミック、メカニズムから考える

簡単なシミュレーターを作成して、みんなでプレイしてみるという作り方です。エンジニアが多い会社とかで使われる手法ですね。

学生のうちにゲームを作る!となると、プランナーはほとんど机上でゲーム企画を考えます。想像力が豊な人であれば可能ですが、ほとんどの人は考えているうちに思考停止してしまうでしょう。たとえイメージできたとしても、それを他の人に伝えることができるか?は別の話です。

実際に動きを作ってみて、どのような感情が湧いてくるのか?という切り口でゲームの仕組みを探っていきます。ちょっとしたバグがきかっけで、頭の中で考えているだけでは思いつかないような仕組みができたりします。

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テクノロジー、プラットフォームから考える

テクノロジー、プラットフォームから考える

テクノロジーから考えるというのは、「GPS」「カメラ機能」「VR」「AR」「電波強度」など、専門技術を使って考える方法です。

作り始めは、テクノロジーの実装から始まります。昔は、こういう専門技術を利用する際は、英語のリファレンスが当たり前でしたが、最近は翻訳機能が充実しているので楽になってますね。

それでも、実際に実装してみると「思っていたのと違う!」の連続です。

ただ、その「思っていたのと違う」という体験が、新しい遊びの種になってりします。

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作りたいものから考える

作りたいものから考える

最後に紹介する切り口は、割と多くの人が選択してしまっている切り口ではないかと思います。

「作りたいものから考える」とモチベーションが上がりやすく、比較的作りやすかったりします。ただ、個人的には、他の切り口を一通り試してみてからやったほうが良いかなと思います。

というのも、質が出づらいんです。

「作り込む」という工程をたくさん経験している人であれば、どのような状況でも「面白く」できるんですが、そうじゃない場合(初心者の場合)面白くなりづらく形にできません。

形にできないと、モチベーションはみるみる下がってしまいます。まずは、他の切り口で一通り作ってみてから、行き当たりばったりに作ってみましょう。

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どこから切り取って行ってもゲームは作れる

どこから切り取って行ってもゲームは作れる

いろんな手法を紹介してきましたが、実はゲームはどんな切り口からでも作れてしまいます。

なので、私が紹介した手法以外にも、思いついた方法があれば試してみて欲しいんです。大喜利のようにテーマをくじ引きで決めるのも良いでしょうし、SF小説を読んでそれを再現する方法も良いでしょう。

いろんな切り口で「完成」まで持っていく。この経験を積むことで、自信も実力もついてきます。たとえ作ったゲームが面白くなくても良いんです。クロージングの力がつけば、「切り口」を選ぶスピードもセンスも格段にアップします。

ゲーム開発は、判断の連続です。切り口で迷ってばかりいないで、より多くの作品を完成させて判断力を鍛え上げましょう。

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ある程度の方向性を決めてから考えるのも手

ある程度の方向性を決めてから考えるのも手

切り口を決めて作り始めたけれど、なかなか完成に持っていけない。

そういう悩みを抱えている人は、次のステップに進みましょう。一番大事な目標は、「完成させる」です。が、その先にあるのは「確かな価値」を生み出すことです。

完成させるだけならば、面白くなくても良いということになりますが、やはりどうせ作るなら「価値」のあるものを作りたいですよね。ただ、このステップは十分に「完成」させた人が取り組むステップなので、もしまだ何も完成させていない人は、まず何でも良いからゲームを作るようにしましょう。

なぜなら、技術が未熟の状態で次のステップに進んでしまうと、うまく作れずにモチベーションが下がってしまうからです。ゲームは「楽しく作る」ことがとても大事なので、焦らず基本を押さえていきましょう。

「面白いゲームを作る」という目的だと難しいので、もう少し具体的な目的を設定します。具体的な目的にすることで、チームでゴールをイメージしやすくなります。

売れるものを作るという目的を持って作る

売れるものを作るという目的を持って作る

「売れるものを作る」と言っても、いきなり難しいですね。

これは、過去の記事でも紹介した方法ですが、ストアのランキングサイトから「テーマ」をピックアップして作るということです。世の中に実際に売れているゲームを基準にすることで、最終的なゴール地点の品質がイメージしやすくなります。

切り口で選んだ「コンセプト」と同じようなゲームを「ランキングサイト」の中からピックアップしましょう。実際に売れている販売本数が品質基準になります。ランキングに同じテーマのゲームを遊んでみて「どこまで作り込めば良いか?」を知りましょう。

仕様書を模写してみるのも勉強になります。画面遷移や画面レイアウト、データの種類を目コピで洗い出す事により、どこまで作り込めば肩を並べることができるか具体的にすることができます。

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話題になるものを作るという目的を持って作る

話題になるものを作るという目的を持って作る

話題になるキーワードを引っ張ってきましょう。X(旧twitter)やTikTok、インスタグラム等で話題になっているホットな情報を知りましょう。

twitterでは、トレンドのランキングがリストアップされていたりします。毎日のトレンドを追いかける事で、トレンドに乗りやすいキーワードをゲームに盛り込んでいきます。これまでにバズった投稿を調べてみるのも良いでしょう。

ただ、世の中のトレンドは移り変わりやすいものです。1週間とか2週間で作れるゲームでなければ、あまり有効な方法ではありません。

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商品を宣伝するという目的で作る

商品を売る為という目的を作る

何らかの架空のスポンサー案件である。そういう縛りを考えてみるのも手です。

昔は、FLASHアプリというのが流行った時期があって、3日とか1週間レベルでリリースできるゲームがあったんです。比較的低コストで開発できるので、広告代理店を経由して仕事をもらった経験があります。今でも、サイト上とかアプリ上で遊べるミニゲームがあったりしますよね。

世の中は、驚くほど広告ビジネスが浸透してますから、「何かの商品を売る」そういう目的でゲームを作ってみても良いでしょう。最終的なゴールがイメージしやすいので非常にオススメです。

毎日15分の情報収集習慣で、最新のトレンドをキャッチする方法

まとめ いろんな切り口でゲームを作ってみること

まとめ いろんな切り口でゲームを作ってみること

今回は、ゲーム開発の切り口についてまとめてみました。

繰り返しお伝えしますが、本当に大事なのは「完成」まで持っていくことで、どんな切り口で作り始めても「完成させることができる」経験値です。

AIが導入されるにつれて、コーディングの価値は下がってしまってますが、逆に価値が上がってくるのは「完成させる力」です。誰よりもここを経験した人が勝利する世界になります。

この記事を読んで、まずゲームを作ってみよう!と思う人が増えてもらえると嬉しいです。何かゲームを完成させた時はコメントください。是非遊ばせていただきます。

それでは、素晴らしいゲーム開発ライフを!

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