思考停止の罠。同時処理と継次処理。

思考停止の罠。同時処理と継次処理。 さしあたり、いま思う事
この記事は約11分で読めます。

ゲーム開発をしていると、思考停止しやすい…。

いつの間にか、ぼーっとしてしまう…。

そういう悩みを抱えている方は、こちらの記事をどうぞ。

コンじゃぶろー
コンじゃぶろー

こんにちは!コンじゃぶろーです!

ゲーム開発の世界では、創造性と効率性が常に求められます。しかし、この二つを同時に追求する過程で、私たちはしばしば「思考停止」という罠に陥りがちです。この記事では、ゲーム開発者が直面するこの挑戦に焦点を当て、同時処理と継次処理のバランスをどのように取るべきかを探求します。

ゲーム開発は、多くの要素が絡み合う複雑なプロセスです。キャラクターデザイン、ストーリーテリング、プログラミング、サウンドデザインなど、様々な要素が同時に進行する必要があります。ここで重要なのは、これらの要素をいかに効率的に、かつ創造的に組み合わせるかです。しかし、このプロセスの中で、私たちはしばしば自分の思考が停止してしまう瞬間に直面します。

この記事では、そんな思考停止の瞬間にどう対処するか、そして同時処理と継次処理の適切なバランスを見つけるための戦略を提案します。ゲーム開発のプロセスをスムーズに進めるための具体的なテクニックや、創造性を最大限に引き出すためのアイデアも共有します。読者の皆さんが直面するかもしれない課題に対して、新たな視点を提供することで、ゲーム開発の道のりをより豊かなものにすることを目指します。

ゲーム開発の旅は、時に困難で、複雑なものです。しかし、その中には無限の可能性と、創造の喜びが隠されています。この記事を通じて、その喜びを最大限に引き出し、思考停止の罠を乗り越える手助けができればと思います。

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本日の記事、重要なポイント

  • ゲーム開発で、思考停止するメカニズム
  • 同時処理と、継次処理、自分の得意を知る

同時処理と、継次処理、ゲーム開発中に思考停止してしまう落とし穴

同時処理と、継次処理、ゲーム開発中に思考停止してしまう落とし穴
同時処理と、継次処理、ゲーム開発中に思考停止してしまう落とし穴

人間の多くは、同時並行で物事を考えるようにできていません。同時に考えているようでいて、実は考えていなかったりします。イメージできる「継次処理」を見つけて個別に対応しているというのが現実的な所です。

ちょうど、パソコンの仕組みも同じです。1度に複数の事をやっているように見えていても、超高速で切り替えているだけだったりします。ゲームの世界でも、1秒間を60コマや30コマに分解して、1コマの間に移動距離を計算し、高速で絵を描き直しているから、キャラクターを自由自在に動かしているように見えています。

全ては、継次処理です。

どんな作業でも、同時にやっているように見えて、1つずつ作業している。そう意識して対応するだけで、作業効率は飛躍的に伸びたりします

しかし、厄介なのは、脳の凄さです。

本当に、同時に処理できてしまっている部分があったりするので厄介です。ガンダムのニュータイプみたいな雰囲気もあり、憧れてしまいますよね。キュピーンッ!と予知能力発揮したらかっこいいじゃないですか。

ゲーム開発をする上では、同時処理も継次処理も、どちらも必要な事です。だから「同時に処理する能力が低い」と、(自分に才能がないとか思いたくないから)目を背けがちです。ちょっとデリケートですよね。でも、そのナイーブな部分に目を向けないと、思考停止(フリーズ)していつまでもゲームができないといった事が発生するので注意しなければいけません。

ゲーム開発で思考停止するメカニズム

ゲーム開発で思考停止するメカニズム
ゲーム開発で思考停止するメカニズム

ゲーム企画を考えている時や、ゲームの設計書を作っている時は、思考停止しやすいです。最初に、どういった要素が必要なのかを洗い出しても、考えている最中に決めた事によって、それまで考えていた事が崩れ落ちるからです。

1つ立てれば、2つ立たず。2つ立て直せば、1つ崩れるみたいな事が繰り返されます。すると、あとどれくらい考えれば良いか分からなくなり、思考が停止(フリーズ)してしまいます。ただただ、時間だけが過ぎていく孤独な時間だけが広がります。

非常に厄介な問題なので、まずは、ゲーム開発で思考停止するメカニズムに関して解説します。

同時処理と、継次処理のメリハリがなくなる

同時処理と、継次処理のメリハリがなくなる
同時処理と、継次処理のメリハリがなくなる

同時処理と継次処理のメリハリがなくなると、思考停止しやすくなります。なぜなら、2つは水と油なので、それこそ、同時処理をしながら継次処理をする事ができないからです。

同時処理の事を、単純に複数の継次処理を同時に数ライン走らせる事だと思っている人は多いですが、そんな曲芸じみた事を求める能力ではありません

同時処理は、大自然の中で聞こえてくる音全てを受け入れ空間的に統合するような力です。継次処理は、1工程をピックアップして、1つずつ処理する方法になります。

同時処理だからと行って、インプットした情報を全て統合するといった単純な話ではありません。全ての色を混ぜると灰色になるように、そこに「思考」がなければ、ぐちゃぐちゃになりまとまりがなくなります。同時処理は一定のセンスによって再構築する力が必要です。捨てる力も必要ですし、広い視野でのデザイン力も必要です。

同時処理には、複雑な物事を、シンプルにまとめるメリットがあります。

一方、継次処理は、視野を狭くする方法です。情報をピンポイントに絞る事で、1つずつの精度を高めたり処理速度を早めるメリットがあります。

同時処理と、継次処理はそれぞれ全く違う処理方法なので、意識して切り替えなければ、全ての色を混ぜたようなぐちゃぐちゃな色になってしまいます。両方のメリットが潰れてしまうという事です。メリハリがなくなり、結局、継次処理を複数同時にこなすような、曲芸じみた事をしてしまいオーバーフロー。思考停止(フリーズ)状態になります。

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課題を見失っている(課題の設定ができていない)

課題を見失っている(課題の設定ができていない)
課題を見失っている(課題の設定ができていない)

ゲーム開発で、思考停止(フリーズ)してしまう原因として、もう一つ考えられるとしたら、「課題」を見失っているというのがあります。

ゲーム企画や、仕様書、デザイン。どれをとってもアイデアでできています。そしてアイデアには必ず「課題」が必要です。しかし、いつの間にか「課題」を見失ってしまったり、そもそも課題の設定ができていない状態で、アイデアを出し続けてしまいます。

解決すべき課題がないアイデアをイメージしてください。そこには「思考」がないので、意味のないものになっています。ここが落とし穴です。人間は、意味のない作業をずっとしていると、思考が停止して眠たくなります。

「これはなんの役にも立たないものです。これを作り続けてください。」とお願いされると、作業する人のモチベーションは最悪になります。何の役にも立たないものを作り続ける事程、苦しい事はないからです。

ゲームの仕様書を作る際は、どんな些細な仕様を作る時も「課題」を意識するのを忘れないで下さい。それが唯一の目的になります。

例題を出してみるので、以下のように一度考えてみてください。全ての事に課題は必ずあります。「課題が見つからない」というのは甘えです。

例題)ゲームの仕様書・項目に対して「課題」を設定してください。

・タイトル画面:ユーザーが迷わずスタートできる。ゲームの世界観の入り口になる。

・操作性:手元を見なくても、直感的に操作できる。数十人にテストプレイしてもらい、操作ミスが発生しない。

・キャラクター:プレイヤーが感情移入(共感)できる。喜怒哀楽を共有できる。

腐る前に活用しよう!アイデアも大事な鮮度管理。
  • 同時処理と、継次処理のメリハリがなくなり、思考停止する。
  • 課題を見失っているから、思考停止する。

同時処理と継次処理、自分の得意を知る

同時処理と継次処理、自分の得意を知る
同時処理と継次処理、自分の得意を知る

自分が「同時処理」に向いているか、「継次処理」に向いているかを見極める事が大切です。そして、その処理の切り替えスピードにどれくらいの時間がかかるかも知る必要があります。ゲーム企画やゲームデザインをする際に、1つの要素を考える度に高速で切り替えなければいけません。アイデアの組み立てと、完成のイメージ(想像)を繰り返す必要があるからです。

どちらか片方でも極めれば良いですが、僕は両方鍛える事をお勧めします。昨今のゲーム開発は巨大化していて分業性が進んでいるので、同時処理継次処理も分業するという考えもあるかもしれません。しかし、アイデアを表現する以上、両方のメリットを使わなければ上手くいかない部分が多いからです。

ゲームの企画や仕様は、人によって受け取り方が変わりやすいものです。最初の立ち上がりなどは、特にスピードが重要です。そんな時に、Aさんが同時処理して、Bさんが継次処理してみたいに分業していると、いつまで経っても前に進めません。

それに、同時処理ができる人は、継次処理のスピードが異常に速かったりするので、継次処理専門の人がいらなくなるというものあります。同時処理でデザインの方向性を掴む(雲を掴む作業)そして、継次処理で密度を上げてピントを合わせる。そういう技術が必要になります。

同時処理に向いている人と、向いてない場合の鍛え方

同時処理に向いている人と、向いてない場合の鍛え方
同時処理に向いている人と、向いてない場合の鍛え方

同時処理に向いている人は、地図を見せられて、すぐに自分の現在位置と方向を示せる人です。苦手な人は、地図を回転させて、自分の進行方向を上に持ってくるタイプです。地図の上で、情報が整理できていないから、情報を減らす工夫をしているんですね。

情報を減らすというのは非常に賢い方法ですが、消す方法が見つからなくなった瞬間にパニックになってしまいます。人生において、情報を消す方法がない事の方が多かったりします。

鍛える方法は、一度にインプットできる情報量を増やす訓練をするのが良いです。

速読や瞬読をマスターしたり、オーケストラを聴いて全ての楽器の音を聴き分けるというのも良いでしょう。青空の雲を眺める、雲の変化を子供の頃のように眺め続ける。

とにか目の前に広がるモノ全てから同時に情報をインプットし、そこから得たもので何かをアウトプットし続けてください。自然に同時処理の能力が鍛えられていきます。

空間デザインや、イラスト作成、キャラクターデザインなどしても良いかも知れません。

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継次処理に向いている人と、向いてない場合の鍛え方

継次処理に向いている人と、向いてない場合の鍛え方
継次処理に向いている人と、向いてない場合の鍛え方

継次処理に向いている人は、1つの行動を細かく分解して、人に説明できる人です。

このタイプの人は、料理の手順を説明するのが上手だったり、目的地への道順を説明するのが得意です。非常に観察力が鋭く、普通の人が見逃してしまうステップを、具体的に説明する事ができます。

入社試験に「料理」を取り入れている会社があるのは、そういう意味だと思います。

料理のレシピがわかるアプリや、料理本で、時々分かりにくいのないですか?塩少々って書いてあるけど、正確な量が書かれていなくて「何g?」となるやつです。作る人によって違う味になった時点で、レシピとして成立していません。「暮らしの手帖」という雑誌に書いてある料理の手順は、かなりポリシーを感じるので非常に勉強になるのでお勧めです。

この能力を鍛えるには、料理のレシピや手順書を書いたり、フローチャートを書くのが良いです。フローチャートというのは、プログラミングの処理の手順を書いたものです。ちょうど以前に「フローチャート」に関する説明と「書き方」「面白い例題」を記事にまとめてみたので、気になる方は確認してみてください。

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  • 同時処理に向いている人と、向いていない場合の鍛え方。
  • 継次処理に向いている人と、向いてない場合の鍛え方

まとめ 課題を知り、己を知れば百戦危うからず

まとめ 課題を知り、己を知れば百戦危うからず
課題を知り、己を知れば百戦危うからず

同時処理継次処理に関して解説してきました。

しかし、感の良い方は気づいたかもしれません。同時処理継次処理・・・片方でも持っている人いなくないですか?

そうなんです。僕は、ゲーム開発をして初めて気づきました。普通に生活していると、どちらの能力もそこまで必要じゃないので、持ち合わせていないのが普通なんです。

人には向き不向きというのがあるんですが、特殊な訓練を受けず、普通に義務教育を過ごしていただけだと、同時処理継次処理も鍛えられていません。だからこそ、ゲームの専門学校に入り、初めてゲームを作る時に、パニックになるんです。

僕は正直、日本語が通じない世界に来た・・・と思うぐらいパニックになりました。

そして痛感するのです。ここまでゲームを作る能力が無かったのかと。しかし心配無用です。そんな僕でも訓練次第で鍛える事ができました。

だから大丈夫、コツコツ続けていれば鍛える事が可能です。

課題を知り、己を知れば百戦危うからず。

課題意識があり、自分の中の同時処理の力と、継次処理の力を見極め育てる事ができれば、どんな壁も乗り越えていけるようになります。

以上、さしあたり、今思う事でした。

ここまで読んでいただけてありがとうございます。

皆様の良い人生の一助になれば。

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