思いついた時は、あんなに楽しそうだったのに
作ってみたら…、クソゲーだった…。
ゲーム作りをしていると、割とよくあることだったりします。
こんにちは!コンじゃぶろーです!
いつの時代も、創造性というのは人類にとって最も魅力的な資質の一つです。名画の一筆、ビジネスの革新的なアイデア、日常を豊かにするちょっとした工夫。これらはすべて、ひらめきによって生まれます。しかし、そのひらめきが本当に価値のある「金の卵」なのかを見極めるのは、一筋縄ではいきません。
さて、あなたは思いつきが浮かんだ瞬間、どうしますか?その瞬間の興奮に任せてすぐ行動に移しますか?それとも一度深呼吸をして、そのアイデアをじっくりと熟考しますか?
ここで、一つの提案があります。それは「アイデアは、寝てから評価しろ!」というものです。なぜでしょうか?
アイデアを生み出した直後は、私たちの脳は興奮状態にあります。これはまるで、自分が見つけたアイデアがこの世で最も素晴らしい発見であるかのように感じさせる、一種の錯覚に陥っている状態です。しかし、一晩寝て目が覚めた時、昨夜のアイデアを再評価することで、新鮮な視点を得ることができます。まるで、他人のアイデアを評価するかのように客観的に見ることが可能になるのです。
このプロセスは、アイデアを「寝かせる」という行為。これにより、思いつきが本当に価値のあるものかどうか、その真価を見極めることができるのです。
本記事では、そんなアイデアの「寝かせ方」に焦点を当てています。生み出した直後の自己評価から一晩寝て感覚をリセットするまで、そして、そのアイデアがどのようにして「金の卵」へと成長するのか。あなたの創造性を最大限に引き出すための秘訣を、順を追って紹介していきます。
思いつきから金の卵を生み出す旅は、まさにこの記事から始まります。あなたの創造性がこれからも花開き続けるように、この記事が一助となれば幸いです。
本日の記事、重要なポイント
- 生み出した直後のアイデアは、自己評価満点状態
- 1度寝て、評価をニュートラルに戻す
はじめに:アイデアを寝かせる理由
アイデア自体は、1晩寝かせても変わりません。
変わるのは、自分の感覚です。
ゲーム作りの場合は、作ったシナリオをそのまま公開すると言うことが無かったので、夜ギリギリまで書いて、朝チェックし直すといった流れになっていました。
偶然ですけど、これが良かったです。
書いた直後もチェックはしますが、書いた直後と翌朝では、印象が180度くらい違う現象が起こります。
出来立てほやほやの状態でチェックすると、自己評価が高い状態なので良く見えるんです。なので夜チェックできるのは、誤字脱字のチェックのみでした。終電間際だったので、そこまでしかチェックできなかったと言うのはありますが(汗)
そして翌朝、読み返してみると、自分が書いたことすら忘れて、別の人が書いたみたいな感覚になります。これが、品質のチェックには丁度よかったんです。
アイデア生成直後の自己評価の落とし穴
文章を出した直後や、アイデアを出した直後は、一種の興奮状態にある為、正常な判断ができません。
例えば、「笑える」ストーリを書いた場合は、何回読んでも笑えますし、「泣ける」ストーリーを書いた場合は、100発100中でウルっとしてしまいます。もちろん、「怒り」のメッセージを込めれば、沸々と怒りが湧いてきたりもします。
アイデアを考えた直後や、文章を作った直後は、自分は天才なんじゃないか?と思うくらい、自己評価が満点近い状態になります。
生みの苦しみ後の一時的な 幸福感
ゲームのシナリオは、少し特殊で、「スクリプト」という、少しプログラミングっぽい形で用意します。
1つのセリフに対して、「誰が?」「表示位置」「キャラの表情」「口パクの有無」「セリフ」「文字の色」「その他(分岐・パラメータ変更)」「その他(数値)」といった情報を埋め込まなくてはいけないからです。
簡単に書くと、”騎士A,左,怒り,口パクあり,「戦いはこれからだ!」,青,なし,0”といった感じです。
厳密には、もっとプログラミング的な書き方にはなりますが、おおむねこのようなものを1万行書くことになります。これを1行ずつ読み込んで、会話を進行していくわけです。
データの順番や種類に違いはあるかもしれませんが、どこのゲーム会社も似たような構造になっている気がします。
夜中に、黙々とこの文字を打ち込み続けると、機織りをしているような感覚になります。言葉で、縦糸と横糸を通しているような感覚です。
やがて、独特の興奮状態にもなり、頭がおかしくなります。たいていこの状況になると、筆が走っている状態になりますので、とても心地よいです。
アドレナリン効果:すべてが輝いて見える
この状態になると、なんでも楽しく思えてきます。
まるで、キャラクターが自分の意思で会話しているような気さえしてきます。キャラクタの性格などが書かれた設定資料は、時間をかけて作っていたのでセリフが自動生成されているような感覚で溢れてきました。
キャラクターが勝手に話をしているのを、書記として文章に記録しているだけ。そういう感覚です。
かなりやばいですね。
でも、やってみると、誰でもこんな状況になると思います。
毎日のように、ゲームのアイデアを考えて資料にしたり、シナリオを考えてデータにする作業を繰り返してきたので、文章が溢れるように書ける体質になりました。
ただ、興奮状態で書くのはいいんですが、品質が伴わないこともあります。しかし、興奮状態だと、自己評価がとても高い状況になり、正常な判断ができません。
- 自分のアイデアや文章は自己評価が高い
- アイデアや文章を考えた直後は、興奮状態
- 書き上げた直後は、なんでも面白く思える
「一晩寝る」の魔法:感覚をリセットする
文章を書いてハイになっている時は、自己評価が高過ぎることが多いので、1度寝て、翌朝確認するのが良いです。
1度寝ると、昨日までの興奮はすっかり醒めて、ニュートラルな状態で判断することができます。あとは、文章を書いている時と、実際にキャラクターが会話をしている画面を見るのとでは、印象がかなり変わるので、より冷静な判断で見ることができるようになります。
この時、面白かった文章がつまらなく感じれば、修正をすればいいだけです。
ただ、中には、書いている最中はつまらないのに、翌日、実際のゲーム画面で確認すると素晴らしいと感じるものもありました。
締切間際で、制限時間いっぱいの時の追い込まれた状況というか、やっつけ仕事で書いたシナリオの方が笑えたりする場合が多かった気もします。書いている最中につまらないからと、破り捨てたりするのは勿体無いですね。
これも、偶然の産物ではありますが、書いた直後の興奮状態が、いかに冷静な判断ができない状態なのかが分かるものだと思います。
目覚めと共に訪れる新たな視点
強烈にアウトプットしてから寝ると、頭の記憶から、「自分で書いた記憶」がすっぽり抜け落ちる感覚があります。
別のデータにアウトプットしたから、記憶する必要ないと頭が思うのかもしれません。そのおかげで、まるで別の人が書いたみたいな感覚で「チェック」することができます。
この時、自然に「笑ったり」「泣いたり」「怒ったり」できれば、そのシナリオには価値があると言えます。
自分のチェックが終わったら、次はデバッカーに体験してもらいます。その間、じっとその様子を観察すると、より確実に評価できます。
これは、シナリオに限らず、ゲームのアイデアでもイベントのアイデアでも同じです。
一度寝てから再チェックするだけで、価値を正確に確認することができます。
アイデアの多面性を認識する
自己肯定感マックスの状態で見る方法を「表」とすると、1度寝て、冷静な状態でみる方法は「裏」となります。
アイデアを生み出す過程で、この「表」と「裏」の両面から評価するという方法は必須のテクニックです。
常日頃から、「表」と「裏」から見る習慣ができれば、1晩寝なくても評価できるようになってきたりします。
しかし、その状況でも、1晩寝てから再チェックする習慣を続けた方がいいと思います。なぜなら、感覚が鋭くなりセンスが向上してくると、自己肯定感MAXで見る「表」の評価が爆上がりするからです。
一晩寝て、見返すようにしましょう。
- 一晩寝ると、感情がニュートラルに戻る
- 自分が書いたことを忘れてチェックする
- 表と裏、両面からチェックする
結論:第三者の視点を得る重要性
アイデアを考えた時、自分のアイデアには、少し甘くなってしまうことが多いと思います。
僕も、学生の頃は、かなり自分のアイデアに甘かったです。苦労して書いた提案書でしたから、自分のアイデアに満足している状態なので、改善しようという気が起こりません。
それって、もう伸び代がない状態と言えます。自分で、伸び代を潰してしまっています。
結果的に、他の人が作った提案書と比べてばかりいました。
今思えば、1時間やそこらで作れるレベルのアイデアに、どうしてあそこまで固執していたのかと思わざるを得ません。
現状満足してばかりいた僕が、社会に出て初めて突きつけられたのは、
「売れない」=「即、継続できない」という、プロの洗礼でした。
それを突きつけられるまで、そこに気づけないでいました。
もし、学生の頃に戻れるならば、「第三者目線」で自分のアイデアをチェックする方法を教えたいです。
今日は、どうしても曖昧になりやすい「第三者目線」になる方法を、具体的にどうすればそう見れるのかを解説してみました。
見る目を鍛えれば、素晴らしいものが生み出せるようになる。僕はそう思います。
以上、さしあたり、今思う事でした。
ここまで読んでいただけてありがとうございます。
皆様の良い人生の一助になれば。
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